ここでも無視された私

 だけど…

 一縷の望みを抱いて
 私は玄関の前に立ち続けた


 しばらくすると玄関が開いた

「…入れよ」

 彼は私を部屋に入れてくれた

 

「あんな所に立たれちゃ迷惑だろ。
 どこまで俺に迷惑かけりゃ気が済むの?」

 


 あ…

 

 また私 彼に迷惑を…

 



 無意識のうちに土下座してた
 

 


「謝って済むことじゃないけど…
 本当にゴメンなさい…
 申し訳ありませんでした…」

 泣きながらなんとか言葉を絞り出した

 

 

「謝罪なんかいらないって。

 

 彼氏いるのにセフレ作って

 

 予定が空いたとたんに
 セフレを自分の部屋に呼び出すような

 

 そんなクズと会話する気ないわ」

 


 …その通り過ぎて何も言えない

 だけど私は
 ひたすら謝り続けた

 


「自分でもどうかしてたと思います…
 本当にゴメンなさい…」

 

 

「だからさ~…
 謝罪はいらないって言ってるだろ。

 もうお前のことなんて考えたくもない。

 お前さ…

 自分の彼女が浮気してるって
 それもセフレ関係だって聞かされて

 それを自分の目で確認した時の
 俺の気持ち分かるか?

 分からないよな。

 

 だからこんなことできるんだよな」

 

 

 完全にバレてる…

 だけど
 なんでセフレ関係だってことまで…?
 

 


 そうか


 あのOGか…

 

 

 

「おい… 聞いてんのかよ」

 


 いけない
 今はそんな事どうでもいい

「その通りです…
 本当にゴメンな…」

 また謝ろうとしたところで遮られた

「だからもういいって言ってんだろ!
 とにかく帰ってくれ」

 

 

 もうダメだと悟った私は
 これ以上彼に
 迷惑を掛けないようにしようと思った

「はい…
 帰ります…
 今までありがとうございました…」

 


 そう言って帰ろうとした時

 インターフォンが鳴った

 

 

「え? 誰だこんな早朝に…」

 そう言いながら彼がモニターを見ると

「は? 警察?」

 慌てて彼はインターフォンに出た

「はい。どうかされましたでしょうか?」

「朝早くにスミマセン。
 ちょっとお話をお伺いしたのですが…」

 

 

 とりあえず私は部屋の中に入って
 彼が玄関を開けた

 すると

 


 何人もの警察官がなだれ込んできた

 

 

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