メッセージを送って1週間

彼くんからの返事は届かなかった

 


「返事は無い?」


「うん…

 

 期待はしてなかったけど

 

 やっぱり心の中で
 もしかしたらって気持ちもあって…

 

 分かってたけど

 

 本当に終わっちゃったんだな…」

 

 

「ねぇそういえばさ、

 

 なんで彼くんに

 正直に話しちゃったの?」

 


言われてみればその通りだった

 

適当に誤魔化していれば
バレなかったと思う

 


「そう… だよね…


 でもなぜかあの時
 言葉が出なくって…

 

 そしたら彼くんが気付いて…

 

 そしたら


 自然と彼くんに謝ってた…」

 

 

「そっか…

 

 彼くんに

 ウソが言えなかったんだね」

 

 


彼女の言葉で分かった


きっと私は

彼くんの前では

誠実でいたかったんだ

こんな私を

大事にしてくれる彼くんに
 

誠実に応えたかったんだ

 


だからウソがつけなかったんだ

 

 

 

 

 

私 本当に彼くんが好きだったんだ

 

 

 

 

 

「そうだね。アンタの言う通りだよ」

「これからどうする?
 しばらくは大人しくする?(笑)」

「大人しくって言うか…
 う~ん…
 もうあんな遊び方は絶対にしない!」

「じゃぁ今のアンタのままってことだね」

「そういうこと(笑)」

 

 

それからの私は
普通の大学生になった

 


もうあんな思いはこりごり…
っていうのもあるけど

ちゃんと誠実に生きようって思った

 


彼くんが私に与えてくれた

この生き方を続けようと

 

 

 

風のうわさで聞いたけど

彼くんがアフターするようになったそうだ

ホストみたいなもんだもんね…

 

今までは
私のために控えててくれたのかな…

 

その彼くんも

 

春が来る頃には

お店を辞めたらしい

 

 

 

 


もうこれで

 

完全に彼くんと会えなくなった

 

 

 

 

 

今でもふとした瞬間に
あの事を思い出す

自分のバカさに嫌気がする

 


彼くんへの

申し訳なさでいっぱいになる

 


思い出すたびに後悔して
 

やるせなくて仕方ない

だけどしょうがない

私は

この後悔を抱いて生きるしかない

 

 

 

考えてみたら

 

彼くんと付き合ったのは
たった1か月ほど

 


こんな短い期間だったけど

彼くんは私を変えてくれた


本当にありがとう

 

 


本当にごめんなさい…

 

 

(終)

 

 

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