駅からタクシーに乗り
着いたのは結構大きいマンション

こんなとこ住んでるんだ…
なんて思ってたら

 

彼くんが玄関を開けると

「ただいま~」

「おかえり~ 今日もお疲れ様」

 


なんとお母様がお出迎え

 

 

後ろにいる私を見て
お母様もビックリ

 

そのまま彼くんは私の手を引き
無言でリビングを通って彼くんの部屋へ

リビングには彼くんの兄夫婦もいたけど
みんな唖然としていた

 


当然だけど私もパニック

 


家に連れて行くんだから
当たり前のように1人暮らしだと思ってた

まさか実家とは…

 

 

部屋に入ると彼くんが

「ゴメンね… ビックリしたでしょ?
 俺、明日も学校だから外泊できなくて…」

と謝ってくれたけど

大好きな彼くんに誘われて
舞い上がってついて行ったら

いきなりお母様とご対面

 

 

いやいや…


なんだかもう何が何だか…

 

 

「ホンとゴメンね…

 でも君が待っててくれて
 俺が行った時の君の姿見て…

 なんだか
 このまま帰しちゃダメだって思って…

 ちゃんと
 君の想いに応えなきゃって思って…

 実家なのに連れてきちゃった…」

 

 

 

あ…

彼くんはそんな風に私のことを…

 



お店の彼くんからは想像できないくらい
まっすぐで不器用な彼くんだった


私 彼くんを好きになってよかった…

 


また私は泣き出してしまった

 

 

彼くんは慌てて私を抱きしめた

「ゴメンね…」

「ううん… 違うよ。
 嬉しいの… すごく嬉しいの…」

「俺も君が好きだよ…」


そのままキスをした

 

 


今までで一番幸せなキスだった…

 

 

 

考えてみたら
今までの私は「恋愛」をしてなかった

ただ男遊びをしていただけで
こんな幸せな気持ちになったことない

キスをするだけで

 

抱きしめられるだけで

 

彼くんが耳元でささやく声だけで

 


こんなにも幸せだなんて…

 

 

 

ずっと彼くんに抱きついていたけど
さすがにもう寝ないと、って時間

「そろそろ寝ようか」

 


あぁ…

 

これから彼くんに抱かれるんだ…

 


まるで初めてのように緊張したけど
彼くんと1つになれる喜びもあって

なんだか不思議な気持ち

彼くんのスェットに着替えてベッドへ

 

 

 

予想外の夜が待っていた

 

 

【BACK NUMBER】
遅過ぎた後悔 本気で好きだった 身体を許す時 歪んだ猜疑心

初めての挫折 優しさの罠