小金井市には市役所が2箇所あります。


本庁舎と第二庁舎です。


もともとは本庁舎(昭和40年建設)のみでしたが手狭になった理由から、昭和61年に新庁舎建設計画が持ち上がりました。


小金井市本庁舎





同じ場所に立替も検討されましたが敷地が狭いこともあり、近くの土地Aが候補に挙がりました。

しかし、土地Aの所有者に売買を拒否されてしまいます。ちなみに、当時の市長は保立さんという方。


翌年(昭和63年)、市長が大久保さんに代わると、土地Aの所有者から次のような提案がなされます。

「土地Aに庁舎用のビルを建設し、市に賃貸してもよい」と。

売るのは嫌だが貸すならいいというわけです。敷金は15億円。賃貸契約期間は30年一括借上げ。


当然、市民はそんな契約に納得するはずはありません。

別の土地を購入して、新庁舎を建設すべきだと。


そりゃそうですよね。小金井市が存在する限り、市役所という場所は市内にあり続けるわけで、それをどうして賃貸しなければならないのか誰しも疑問に思うことです。


時は平成に移り、バブル終焉の平成3年、市のほぼ中央に位置する土地Bが売りにだされます。

120億円という高額でしたが、市議会の全会一致の賛成もあり、市は取得をします。


ところが、条件整備に時間がかかるという理由で10年間は新庁舎を建設できないという話になります。


10年?市民の疑問を余所に大久保市長は土地Aに仮庁舎を建設してもらい、10年間、賃貸する決断をします。

仮庁舎ですから、当然、プレハブみたいな簡易な建物を想像するわけですが・・・





小金井市第二庁舎



出来上がったのがこれです(汗)

地上8階、地下1階・・・見事な仮庁舎です。尚、この写真は2014年1月に撮影。外壁工事中のようです。


平成5年から10年間の賃貸契約がスタートします。

ちなみに、この土地Aの所有者は大久保市長の親類の方です。


その後、大久保さんの全面支援を受け、稲葉市長が誕生します。


すると稲葉さん、今度はJR武蔵小金井駅前再開発地区にある土地Cに新庁舎を建設する計画を発表します。購入費用92億円。


はぁ?


120億円で買った土地Bはどうするの?

いま売ったって40億円にもならないよ。

当然、市民のブーイングは凄まじく、稲葉さんは計画を撤回します。


新庁舎問題は迷走し、時間だけが過ぎていきます。


10年という契約期限だった第二庁舎も、その後、3回の契約更新がなされ、現在に至っています。


土地Bは現在、大半が空き地のままで、一部をリサイクル施設、公園として運用。




行政側は庁舎建設費用の積立をこれまで行っていません。

当面、土地Bに建てるつもりもないのでしょう。

第二庁舎を借り続けるのが大儀なのでしょうから。