今週で六本木ヒルズの森美術館で開催しているバスキア展が終了する。
1980年代のアートシーンに、彗星のごとく現れたジャン=ミシェル・バスキア。
わずか10年の活動期間に、新たな具象表現的な要素を採り入れた3,000点を超すドローイン グと1,000点以上の絵画作品を残しました。その作品は、彼自身の短い人生を物語るかのように、非常に強烈なエネルギーであふれているだけでなく、20世紀のモダニズム美術の流れを踏まえ、ジャズやヒップホップ、アフリカの民俗や人種問題など、黒人画家ならではの主題を扱っています。そのため、没後ますます名声が上昇し、今や20世紀美術最大の巨匠の一人として確固たる地位を占めるにいたりました。
※公式サイトより
こんな感じでバスキアは説明されている。
なんとなくはこの説明でわかるんだけど、なぜこれほど人気があるのかの説明にはなっていないような気がする。
ぼくはなぜ惹かれるのか。
今回、展覧会で生の絵を観てみることでその理由みたいなものを探そうと思った。
その日は平日の午後でしたが、えらく並んでいる。
チケットを購入するのに並んでいる。
僕はファミマでチケットを買っていたので、結構すんなり入れた。
これから行こうと考えている方は、事前にコンビニ等で買うことをおススメします。
入り口で音声ガイドを借りてさあ入場。
中に入ると圧倒される。
本物がゴロゴロ飾ってある。
当たり前。
それが展覧会というもの。
注意すべきは写真を撮っていいものとだめなものがあるとのこと。
撮影可の絵は10点ぐらい。
スマホに残すことにどんな意味があるかもわかりませんが、撮っていいのは10点だけだよと言われるとついつい必死に撮影する。
だんだんくたびれてくる。
「やすらぎ」みたいなものとはかけ離れた絵たち。
でもじっと観ずにはいられない、そんな感じがする。
そんな感じで1時間半歩き続けて絵を観た。
その間に何を感じたのか。
一言で言えば「勇気」。
生きていて何か困ることに直面するときの原因は、ほとんど勇気だと思う。
なぜか勇気が出ないのだ。
勇気と元気があればなんでも出来る、は過言ではない。
この勇気。バスキアの絵を観ていると、この勇気が出てくる。
表現する勇気、何物にも縛られずに表現する勇気。
28歳で逝ったバスキアの短い人生に凝縮された勇気。
自分は自分でしかいられないし、自分はじぶんでしかない。
それでこの世の中で何かをしていく。
どう、世の中の役に立つのか。
何を幸せと思って生きるのか。
自分は少しでも世の中が良くなることに貢献できるのか。
すべては勇気。
そこには失敗も成功もない。
自分はなにをする人なのか、を必死に考える。
そして勇気を持って行動する。
バスキアの絵を観ていて感じた。
僕の体の中に確かに勇気が湧いてきた。
バスキアがノートに落書きのように描いたと思われる、無数の文字と形。
何からでも、どんなことからでも一歩は踏み出せる。
自分のノートに何か書けばいい。
その日思ったこと、ずっと考えていること、大切に思っていること。
そこからはじめる勇気。
是非、お時間ある方は観に行って下さい。
開催は今週まで。
確かにそこに「勇気」がある。