中村天風「盛大なる人生」
第六章 真人生の実現③
《ポイント》
文明が進むにつれて知識が発達して、理性も発達する。そうすると理屈がよりいっそう人生をややこしくしている。
知識の発達とともに理性が発達して、権利がある、プライバシーがあると、考える理屈ができたために、現在の境遇に満足しなくなった。人間が何か欲しいなと思ってそれが満たされないと煩悶になる。
【煩悶】
唯物的理知的煩悶
…肉体の本能や感覚や、あるいは肉体を本意とする感情から発生するいろいろな欲望を満たそうがために絶えず新しい要求、新しい工夫と、ああでもない、こうでもないと考えて、心を疲れさせちゃってること。
唯心的理知的煩悶
…物質的手段のみではとうてい人間お心の欲求や煩悶は解決できないとわかってくると、精神方面に救いを求めて哲学や宗教にいく。たいていの場合、自己の理性のみを本位として心の問題を解決しようとするがために、肉性心意識、いわゆる動物心との衝突がおこる。その結果、自分の理性では解決できず、そのときに心が感じるやるせない煩悶のこと=ノイローゼ。
唯物的煩悶であろうと、唯心的煩悶であろうと、いずれも理性のみで一切を解決しえるもののように考えて、一生懸命に努力している。煩悶が出ると、人間の心が複雑になり、循環器と臓器障害が起こる。
常に天空海闊、明るく朗らかに生き生きとして、勇ましく生きましょう。
人生は、今一段階高級な意識で生きなきゃ。誰でも霊性意識から発生する自覚正念を持っているのだから。
《感想》
昔は食べるものがあって、住むところがあって、男性と女性がいて生活を営めれば幸せを感じられたものが、現代社会になってそれまではなかった悩みが人間を襲っている。物への飽くなき執着、それが得られないときに心にまで襲う煩悶。それらを解決するものこそが自覚正念=霊感である。明るく朗らか、生き生き、勇ましくというのは人としてありたい姿だと思う。