政治家の言葉が軽い | 世の中ウオッチング

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 岸田内閣が次々と発する政策が言葉だけのコケ脅しに思えて仕方が無い。「異次元の少子化対策」、「骨太の方針」がその典型例。

 政策に裏付けとなる戦略や具体的な施策がなく、非日常的な言葉で驚かせ、情緒的な言葉遊びの域を出ない。いかにも「やります、やっています!」のポーズにしか思えない。ポーズで内閣支持率を高めようとする魂胆が透けて見える。

 その昔、小泉内閣は「聖域無き構造改革」という経済政策スローガンを掲げ首尾よく人気を得た。遂行された政策成果の1つが非正規労働者の増大と賃金の抑制。それが今日の結婚難、少子化を招いているとすれば何とも皮肉。

 「異次元の少子化政策」の次なるステップが「子ども未来戦略方針」と来た。具体策ではなく未だ方針ですか?今から戦略会議ですか?その後に提示されるらしい政策イメージは、お金のバラマキのオンパレード。財源確保は社会保険料に一定額を上乗せするのだという。給料も年金も増えない中で、気づかないうちに天引きされる事態となる。

 

 子育て、教育にはお金がかかる。共働き世帯の核世帯なら子育ては外注に頼るしかない。お稽古事や進学塾、大学卒業までの授業料は確かに家計に大きな負担となる。

 それでも、戦前といわず昭和の親たちは豊かでない家計から子育て・教育投資を自前で行ってきた。 親世代より子ども世代が豊かであって欲しいという夢を託した。子どもも親の面倒を見るという暗黙の了解事項があった。

 その了解事項、つまり循環の図式が破綻した。価値観が変わり社会構造が別物になった。でも、その解決策が子育て世帯に対するお金のばらまきで解決するとは思えない。

 子どもに対する愛、家族愛が根本にあり、将来の担い手への期待と希望が約束されること。これこそが、少子化対策の基本であり、重要な理念ではないか思える。

 赤ちゃんの笑顔、よちよち歩きの姿に救われた思いをした経験は親なら誰であったろう。

子どもは子育て投資に見合う経済的価値だけで評価するにあらず、「そこに存在する」だけでも価値があると思いたい。

 一方、政治家は、ポーズだけの言葉遊びで政治を行ってはなるまい。

 本日の天声人語からの一部引用「理想を行動で支えなさい」(サッチャー元英首相)、「変革するには情熱に加え、戦略が必要だ」。