自宅がリゾート | 世の中ウオッチング

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世の中のチョット気になる出来事を観察してシニアから一言。面白い、楽しい事ばかりでなく、「問題だね、おかしくない?」も拾い上げて行きます。
 ノンシャランに、お気楽に が基本です。

    

 高齢者は、「さあ ゴールデン・ウィークだ」といって無闇に遠出などしない。

 新婚の頃は、妻の実家が所有する栂池の山小屋に出かけるのが習慣だった。中央高速の渋滞をものともせず、移り行く山の景色を楽しみつつドライブ。山小屋の掃除や雪で荒れた庭の手入れも苦にならず、トレッキングに出かけ、好きなバーベキューで気分を解放した。それも昔。

 代が替わり、筆者の資力では山小屋の維持はかなわず、妻には諦めてもらった。

年月を経て、今は何事も無理はせず、慎ましく自宅でリゾート気分を演出して楽しんでいる。

 自宅は郊外の旧住宅公団分譲団地。外構も住戸も実験的な試みが一杯のユニークな住宅地。道は自然の傾斜のまま、狭いながらも専用庭があり、住棟の周囲は緑の芝生、縁取るように赤・白のつつじが咲き誇っている。

 この団地は、緑が豊かなのが自慢だ。何しろ植栽の年間維持費が2500万円。従って低木の剪定は苑地ボランティアの役目。住棟に沿ってユリの木の並木。わが家の前にはシンボルツリーの樫の大木。その周辺にハナミズキ、百日紅、ヤマボウシ、こぶし、桜、ヤマモモ等の高木、足元には花の咲く低木。その種類の多さは新宿御苑に匹敵するとか。あちこちの花壇には公園愛護会の住民が手入れした花々が競って咲いている。

 団地の中をカメラ片手にぶらぶら。団地全体で1000戸、それも2階建てタウンハウス、3階建てメゾネット、4階建て、5階建てと変化に富む。管理組合の役員時は住棟設計の複雑さに泣かされた。

 団地の一部に自然林が残っている。木漏れ日の中、一寸斜面にも登ってみる。木の間隠れに見る団地の風景はなぜか新鮮。専用庭の垣根越しの植木、また玄関口には各戸思い思いのボタンやアジサイに菖蒲と鉢植えの花。ついカメラを向けてしまう。アプリで花の名前を確かめる。

 気が付けば7000歩以上は歩いている。1日の歩数ノルマ達成。

ガーデニングといえば聞こえがいいが、朝夕にゼラニュームや菫に水やり、咲き終わったバラの花殻を摘む。雑草抜きにしゃがむのは苦しい、膝立ちが合理的と知る。マイペースで、のんびりと日光浴の気分。

 一仕事終えたなら、友達を呼んで庭のウッドデッキに運んだテーブルにクロスを敷き、ビールで乾杯。パラソルを広げると気分も盛り上がり、風を感じると酒も進む。ワイン、日本酒、ラム酒、時にウィスキーも、要は手あたり次第。つまみは定番のチーズ・ハム・チョコレート。サラダに筍の煮物が添えられ、グリンピースの炊き込みご飯で仕上げ。料理は妻におんぶにだっこ、お任せです。

 日が暮れれば、長椅子に寝そべって音楽を聴きながら読書。いつの間にか居眠り。ゴールデン・ウィークの時間はゆっくりと過ぎていきます。

 

 この季節、公園の中にいるような住環境だから、わざわざ出かけるまでもない。

混雑が過ぎた頃、「武田信玄の隠れ湯でも訪ねましょうか」と家族で相談。「自由時間持ちの高齢者」ならではの特権です。