さあ どうする50歳 | 世の中ウオッチング

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 超高齢化社会は企業の高齢化でもある。2020年の就業者の平均年齢は41.4歳(東京商工サーチ調べ)だという。年齢階級別にみても44歳以下の就業者数は減少、逆に45歳以上65歳までは逆に増加している(厚生労働省調べ)。若手社員より中堅や高齢社員が高い比率を占めることになる。

 コスト削減に躍起の企業にとっては、終身雇用制下で高齢者の増加は頭が痛い。給料の割にパフォーマンスが低いと見なされているからだ。とりわけホワイトカラーは生産性が低いとされている。

 ところが、企業はこれまで、メンバーシップ型採用でホワイトカラーの総合職、一般職を大量に採用する傾向にあった。IT,AIの時代にゼネラリストばかり居ても困るだけである。

 50歳頃になると社員としての能力は代大体見定めがついているから、選別が厳しくなってくる。

 年功序列でポストも給料も上昇してきた社員にとつては50歳が上がり目、大きな分岐点となる。

 企業側も子会社への出向・転籍、役職定年、早期退職と矢継ぎ早に手を打ってくる。当然給料は下がる。企業に居残っていてもポスト不足で部下のいない・権限もない名ばかり管理職ということもあり得る。社員は、自分が期待されていないと自覚すれば、働く意欲も低下する。

 負の連鎖である。

 

 年金受給年齢の引き上げに伴い、改正高年齢者雇用安定法(令和3年4月から施行)が制定され、70歳までの就業確保が企業の努力義務になった。見方を変えれば70歳まで働くことが当たり前になってきた。

 65歳まで再雇用で働く場合、給料の大幅切り下げは仕方ないとして(それに見合う仕事しか与えられていないから)、若手に気を遣いながらやりがいのない仕事を続けるのだろうか。もっと長く働きたいとしても65歳からの転職は困難。企業が70歳まで延長してくれるのを、気をもみながら待ちますか?

 50歳で早期退職して起業なり個人事業主・フリーランスとなるか、或いは非正規社員として職場を渡り歩くという選択もある。悠々自適出来るほど経済的に余裕のある人は希であろう。

 

 男性の平均寿命は81歳、女性は87歳くらいだ。世間は人生100年時代というけれど、いつまで健康でいられるだろう。自由に好きなことが出来る時間は、後どのくらい残されているのか。

 リスクはあっても早期退職して自由裁量の大きい道を選ぶか、思い切って転職をするか、不満なりに安定した再雇用の道を選択するか。

 「さあ どうする」、令和の家康諸氏ということになる。

 年金だけでは老後の生活がおぼつかないのは明らか。後は、働き方の選択になる。

自分のキャリアの棚卸し、自己診断によって自己理解を深め人生再設計することになるが、自分を高売りするには自分の市場価値を高めるしかない。

 現役時代から自己研鑽に励むこと、パラレルキャリアを作ること。自分の知識、技術、マネジメント力に一層の磨きをかけると共に、所属企業や業界以外に世界を拡げ、人脈づくりに励むことだ。

 50歳は、未だ人生の半ば。これからの人生再設計と決断の時といえよう。