自分も「80歳の壁」を超え堂々の老人。「シニア社会のリテラシー研究会」でご指導頂いている濱口先生の「エイジングと老人の間で」を感慨深く読ませて頂きました。
先ほどまで「社会情報研究会」のメンバーとスマホの使用実態や使用促進・阻害要因、生活に占めるスマホの価値等についてユーザーインタビュー調査をしていました。8ケースを終了したところです。
調査を進めるほどに、濱口座長の説かれる「(老人となることは)衰えではなく力の変化」あるいは「老人力はその人次第で身に着けるようになる」を下記事例を通して実感しているところです。
スマホという文明の利器を使いこなせば、自分を変えていくことができる。
齢を取ることのハンディキャップを上手に補う工夫ができるようになります。
巧みに使いこなせるかどうかはその人のニーズやウォンツの広がりと深さ、そして意欲にかかっています。特に自ら動き、社会活動に熱心である人ほど達成度が高くなることがよくわかりました。
使う必要に迫られ、自ずとあれこれのアプリを試し、利用頻度も多くなれば操作方法も習熟し、他方で困ったときに気軽に相談できる人が周囲に増えるからです。
行政や企業がスマホを使えることを前提としたサービスを展開する動きが急なだけに、独居が増え、記憶力も行動範囲も狭くなりがちな老人にこそ必要な機器だと思えます。
エイジングで老人となるけれどそのことを受け容れ、老人力を活かす道を開けばいいのです。
スマホをはじめとするデジタル機器は老人力を変え、「成熟老人」ならではの力に転換する武器となるのです。
老人は現役世代の人に比べ自由時間がたっぷりあります。その時間を変身の時間に当て、そこで身に着けた老人力を自己管理や社会貢献活動等価値ある行動に向けることができます。
老人は他世代と支え合い、協働があっての存在です。
その際、未だ若いつもりで「俺について来い」型のリーダーはとても無理、リエゾン力を生かした「サーバントリーダー」こそ目指す姿ではないかと思う次第です。
気が付けばハブの中心にいて、目標を見失わず、周囲の人の力量を活かして事を為すことができる、いわば影の世話役となれる人。目立たなくてもことを為すには必須の人です。
これからは、リーダーとなる老人力の涵養にはスマホは欠かせない道具であり伴侶となるに違いありません。
そんな「老人力を備えた」リーダー像に憧れます。