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アメリカやEUはウクライナの「スヴォボダ」と呼ばれる右派勢力に肩入れし、合法的で公選されたロシア寄りの勢力を一掃しようとした。


2012年までのウクライナは、ロシアからヨーロッパ方面に走るガスパイプ・ラインからの『ガス使用』における料金を踏み倒し、あまつさえ途中のパイプからガスを抜く始末。


「ガス使用料金の支払いが行われなければ、ロシアからのガス供給を停止する」

との通達は、正常な国交間交渉で再三再四ウクライナは受けていた。




ロシアのプーチン大統領は、数年前から

「偉大なるロシア共存圏」「旧ソヴィエト領内の各国の同盟関係」

を国家戦略の基盤として据え、その意にそぐわない内外の敵(という認識)を合法&非合法を問わず排除してきた。


プーチン大統領の第一次政権発足時は、チェチェン共和国との戦争の後始末、グルジア共和国との戦争、そして国内のネオ・ブルジョワジーとの戦いに明け暮れた。

前世紀末、ロシアの国会内には合法的選挙で選出された「ロシアンマフィアのボス」や「ガス会社の社長」などがのさばっていた。


彼らは国の行く末を考えることより、自分の利権を拡大し大金を得ることしか考えていなかった。

広大なロシアの天然資源は食い散らかされ、ソヴィエト時代の巨大な軍備も海外へと流出していった。

行方不明になった核弾頭などが、イランやイラクに売り払われたとか、優秀な兵器開発エンジニアなどが対イスラエル用の兵器開発のため、シリアやエジプトへと流れていったと、とかく噂されたのもこの頃である。


しかしながら、KGB(ソヴィエト国家保安委員会)で鍛えられ、1991年のソヴィエト解体以後その後身組織であるFSB(ロシア連邦保安庁)の長官にまでなったウラジミール・プーチンには、たかだか数年でのし上がってきた成金政治屋は敵ではなかった。


詳細は省くが、ほんの十数年前までロシア国会で肩をいからせていた新興政治屋たちの多くは、すでに現職ではなくなっている。




この間に行方不明となった反プーチン的な記事を書くジャーナリストは、40名以上いると言われている。


国内を固めたプーチン大統領は、軍の改革にも積極的で予算削減の煽りを受けて士気の低下していたロシア軍に活を入れた。

国軍はチェチェンやグルジアで戦いぬけた精鋭40万人を中核に、装備や組織を一新した。

彼らは来るべき戦争に備えていると思われる。




合法的選出のウクライナ大統領(現在は元大統領だが)ヤヌコビッチ氏は、国を追われてロシアのプーチン大統領へ庇護を求めた。

ロシア側の立場としては、ウクライナに反ロシア政府・・・ましてやEU加盟を目指す西側国家の樹立など、国家保安上から容認できるものではなく、トゥルチノフ大統領代行など認めるはずも無い。

そもそも2月18日から始まったウクライナ国内の反ヤヌコビッチデモは、ソチオリンピック期間中ならプーチン大統領も強硬な姿勢を取れないであろうという目論見の上に行われた。


アメリカのオバマが、ご褒美の大統領であって・・・

プーチンの対抗馬にはならないことは世界が知っている。

世界中が平和の祭典と信じて疑わないオリンピック期間中なので、プーチンロシアは新生ウクライナに手出しが出来ぬ・・・とのアメリカの読みは外れた。

ロシア軍は攻撃型潜水艦をロンドンに。水中を時速200マイルで突き進む特殊なミサイル(この兵器はロシアにしかない)をウクライナ南部のトバストポリ要塞付属の軍港内に停泊中の黒海艦隊に配備した。

また、狂信者に見せかけたテロを封じ込めるため、かつてアフガニスタンでアフガンゲリラを相手としていたマンハントのヘリ・パイロットを現場で待機させた。これは「爆弾テロなどをオリンピック会場などで行ったら、攻撃ヘリハインドDで村ごと焼き払うぞ」というメッセージであろう。


かくして、いまいち落としどころのはっきりしないアメリカとEUと、限定核戦争くらいならいつでもやってやるぞ、という意気込みのロシアでは戦いになりません。


アメリカの対ロシア制裁など、ロシア政府高官のアメリカ入国禁止(誰も行かないって)や、アメリカ国内の資産凍結(新聞記者が「みんなで幾ら位の額になるのか?」と質問したら、「分かりません」とケリー国務長官が返答した。笑い話か?)などどうでもいいものばかり。

ロシアはウクライナ艦隊のロシア編入、クリミア自治共和国のロシア連邦併合、アメリカ国債約10兆円分の売却、ガスの価格値上げ(世界のシェアの30%を占める)、予備役の招集、ウクライナ治安当局員のロシアへの協力や投降の呼びかけ、年金の保証(ウクライナの年金はロシアの15%ほどしか支給されていない)、一般市民のロシアへの移動やロシア内のウクライナからの学生の帰省の安全な移動への配慮、ドイツのメルケル首相との個別対談、イギリスをEUから切り離す工作、etc・・・etc・・・


第二ステージは始まったばかりです。