気になっていた本があり、
本屋に行きました。
見つけられませんでした。
本の設置場所までは検索機械のプリントアウトで
確認できたのですが、詳細な場所が分かりません。
その時、
どう見ても20代前半くらいの
背丈は150cmあるかないかの
女性店員さんが
品出しのような作業のために
本のたくさん乗ったカートを引いて近くに来ました。
そこで探している本について
情報シートを見せて聞きました。
そうしたら、その子は、
作業の手を止め、
「それなら、こちらですよ」
と、さささと歩き始めます。
「さすが。でも、この周囲は担当エリアだから、この程度は当然かもな」
なんて思っていたら、
本の場所は見つかったのですが、
思いのほか、場所が高く、
必死に手を伸ばしています。
「取りますよ」
と言おうとした直後、
なんとか手に取って
私の方に振り返りました。
そしたら、その子、
「こちらでよろしいですか」
と、両手で大事そうに本を持ち
差し出してきました。
タイトルを確認して、「はい」と答えたら、
「この子と出会ってくれてありがとうございます。
きっと良い縁になりましたよ」
と本を渡してくれました。
「え、ああ、どうも・・・」
なんて返事をしてしまったのですが、
その子、さらに、
「他にお探しのものはないですか」
と質問してきます。
「大丈夫です、ありがとう」
と言うと、カートの場所に戻っていきました。
唖然です。
気に入ったら買おうと思っていた本ですが、
そのままレジに向かいました。
もう関心するしかありません。
その子は、
本屋で本を売っている店員ではありませんでした。
本という商品を通して
大切な「出会い」
を提供しているのです。
恐らく平成の世になってから生まれただろう外見の女の子に
圧倒されました。
本なんて、どこで買ってもいい。
ネットもあるし
各駅ごとに本屋もある。
でも、
こんな風に、本を手に入れられたのは初めてです。
どうしてもほしかった本でもないのに。
これほど、
本を読み始めることに幸せを感じた経験は
ありませんでした。
本日もお越しいただきありがとうございます。
これなら、
私にだって
私の仕事でだって
ぜったい出切るはずです。
大切なことを学んだ一日でした。