
山口貴之、伊藤卓、そして財前。
3人の共通項は、ユース世代の10番。
みんな早熟の天才だった。
日本で開催されたU-17世界選手権。
この世代の日本代表は、
「財前が作り、サイドの中田(英寿)がアシスト、船越が決める」だった。
そう、このチームの中心は財前だったのだ。
ヴェルディ黄金世代の最新作として、週刊サンデーで特集が組まれたこともあった。
セリエAのラッツィオの練習生にまでなった財前。
しかし、山口貴之がそうであったように、
強豪チームの選手層は厚く、
舞台はJ2に移ることになる。
確かに、財前が中盤にいなければ山形はJ1にいなかったかも知れない。
しかし、
J1では、ここまでサテライトで試合出場。
全盛期を知るサポーターには、「ZAIZEN」というフレーズは
もう、ノスタルジックなイメージにしか過ぎないのかもしれない。
それでも、財前は諦めない。
そして、
交代選手としてセンターラインに現れた「10」を見て、ニッパツスタジアムのヴィジター自由席が沸いた。
ピッチに入ると、財前は最初に、U-17日本代表のチームメイトで、
この日、通算350試合出場を果たした、マリノスの松田と握手をした。
その後、
財前の登場に山形サポーターは陶酔した。
結果、逆転勝利。
システマチック化が進み、現代のサッカーでは、10番とは、既に11人の一人となった趣向が強い。
それでも、財前は10番として、自分のスタイルを貫いていくだろう。
そう感じた、ラスト10分と、プラスロスタイム5分だった。
