土砂降りのなか薬師岳小屋に着くと、ご主人の計らいで手続きよりも乾燥室に入るように促された。


乾燥室の奥には更衣室もありかろうじて浸水を免れた衣類でまるごと着替えた。


テント組も小屋宿泊を強制され、仏頂面の男が濡れた幕を干していた。


靴の水没はいちばん嫌いだ。

翌日の行動すら嫌な思いをさせる。


こうすれば乾きやすいのではないか。と、少しばかりのアイデアを浮かべていた。


ストーブの上に靴底をむけるのではなくて、逆さまにして干してしまう。


靴紐で整えるのでバランスは微妙。


それってどうするんですか?と聞かれると、男性が手抉っていた。


こうすれば干せますと、やってあげた。


こんなトラブルになるのも自分のせいだ。

ゲーターを忘れて来ていた。


翌朝には、ほとんど乾いた靴で雲ノ平へ向かった。