八百屋を覗くとまだ実山椒が並んでいたので、またひとパックを購入しました。

下処理の手順は理解しているので前回よりも短時間で終えました。

野性味溢れる匂い。

この食材はどう実るのか。

枝と実を分離しながら実家の食卓の匂いを思い出しました。

あれか?

裏庭から戻った母が摘んできた枝葉を掌でパンっと叩くと、なんだか異様な匂いがしたのに、僕以外の家族は器に添えたはず。

なんだっけ。

春の頃で窓を開けて網戸だけになった食卓には、その葉っぱの匂いがすぐに抜けていった。

あれは、たけのこごはんだったはず。


うちの裏庭にさ、山椒の実があったよね。

あぁ、あったよ。今は枯れてしまったけどね。

葉っぱは、木の芽と言うの?
パンっと叩くやつ。

そうだよ。

たけのこごはんの時は添えたよね。

よく覚えているね、どうかしたの?

スーパーでさ、実山椒を見つけたんだ。
どうやって食べたらいいのかな?

私が知る限りだと乾燥してすり鉢で粉にするくらいだよ。鰻にかける粉になるよ。

ふーん。
鰻は高いから食えないよ。

そう言うと母は笑った。

上手く料理できたら持ってくよ。
炊き込みごはんとか。

楽しみにしているよ。
裏庭で食べようか。と母が、言う。

薫風

そうしようか。

母の日には間に合わなかったけれど、ターシャ ティューダの書籍を渡そうかなって。