梅雨時 某日

山へ向かう道でフロントガラスに雨粒が落ちた。

かなり大きな雨粒をワイパーで掻くと大量に飛散していく。

こりゃ山は無理だな。

同感である。

八王子インターで高速を降り、せっかくなら森パークと、この辺りにしか無いものを見ると決まった。

都内の奥へ奥へとハンドルを動かす。

採石工事現場を通過して着いた。

大岳鍾乳洞

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齢100歳の看板娘に代金を支払う。
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この鍾乳洞はバァちゃんの旦那さんが偶然に見つけたもので、管理権を役所から預かっているとか。

25番まで進んだら、イロハで帰るように。

ヘルメットを被り地底へと向かう。

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思ってたより暗くはない。
照明が焚かれ足下もしっかりしている。
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しかしヘルメットの意味を次第に体験していく。

天井が低くてやたらと頭をぶつけてしまう。

ゴツ

イテっ

ヘルメットをしているから痛くはないのだが、つい口を吐くのはイテっだ。

やはり今年の夏山はヘルメットを買おうと決めた。
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うねうねとアップダウンして行く。

25番に着いて復路をとった。

ところが、何処で分岐を間違えたのか同じところを迷走していたようだ。

地底では迷子になりやすいのだろうか。

リスタートして今度は出口を見つけた。

ほっとした。

野鳥が鳴き、川のせせらぎが騒ぎ、花が揺れる。
そんな世界に産まれた有り難みがわかる。

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バァちゃんにヘルメットとライトを返し、礼を伝えた。

まだツツジが綺麗に咲いていた。

観光客が踏み潰して無くなってしまい植え替えたのだと言う。

そっか。
バァちゃんにとっては大きな財産だもんな。

しばらく小さくなった雨粒を眺めた。