風呂が先か、ビールが先か。

悩むとこではある。

山荘へ戻る整備された石階段がやけにキツかった。
普通の坂道でいいのにとブツクサ言いつつも観光地
なのだから仕方ない。

少ない昼メシで餓鬼状態に陥ったのも手伝って
ブラックな一面が露見する。

どちらを優先するか。

夕食まで90分。

いっそのこと風呂で小ざっぱりして、夕飯をつまみに
ビールを飲むと決まった。

よく冷えたビールだった。

渇き切った喉はその刺激をうまく受け入れないようで、
無理やり飲み込むとゴクリと大きな音を鳴らした。

美味い。

今夜は鱚が並んだ。
連泊すると一品料理のつぼ煮は出されず、
煮豚が提供された。
にくらしいサービスだ。






明日は室堂から弥陀ケ原に下るトレッキングコースを
歩く予定にしている。

修験者が通った道らしくなだらかな木道の先には鎖場が
連続し谷底まで着くとまた登り返すらしい。


翌朝も快晴だった。
室堂ターミナル横の指標を確認して下りはじめた。




雪解け水がせせらぎを作り、うぐいすがのんきに啼く。
チングルマやイワカガミも揺れている
こんな歩きもたまにはいい。




おやっと足を止めた。

やった!雷鳥のオスがいる。



マジか。オスの観察ははじめてだ。




うーん、どうやら今年はツキが回ってきたようだ。
街中ではマリオと遭遇し、山では雷鳥に会えた。

天狗平山荘まで下りてきた。
正面に向かって左のコースを行けばこれまでのように単調な
道をたどり弥陀ケ原に着く。

僕らは右手に入り込むのが修験道だ。

これがまた素晴らしい。
延々と続く木道の両手には池塘がぼこぼこと水をたたえワタスゲが咲いている。








おやっ!また足を止める出来事が。

今度はお母さん雷鳥と雛が遊んでいる。




暇は4羽。ちょろちょろと走りり回り、お母さんは僕らの足音を察知したのか
くわくわと雛を呼んでいるようだ。



なんて恵まれたトレッキングだろう。
雄山の神様が縁を繋いでくれたのだろうか。

木道はさらに続いた。



やがて垂直に落ち込む階段があらわれた。

ここから谷族に下りていくわけか。

鎖が狭い道に付けられている。

見下ろすとアイスブリッジが残っていた。




これはどうして対岸まで渡るのか話し合った。

雪の上は薄くなっていて歩ける場所はない。

川に降り雪をくぐるしかないと決まる。



下から眺めてもやはり橋を歩くのは危険だった。



対岸の登山道へ這い上がり鎖を頼りに上りつめてく。
わくわくする。



抜けた。
何事もなかったかのようにまた木道と湿地帯が待っていた。



ラムサール条約登録湿地 弥陀ケ原。



12時15分のバスに間に合うようだ。

料金は室堂利用より600円安くなった。

得したな、と相棒が言う。

お前な、4時間かけて600円オフだなんて時間給にしたら
いったい幾らになるんだよ。

そりゃそうだなとバスに揺られ立山を後にした。