【Ubdobe5執念記念ブログ】
事業計画ゼロからエビデンスベースドNPOへ。つまりはヤーマン!


なぜ僕は生きているのか?
なぜ僕はこの団体を運営しているのか?
なぜ僕は全国飛び回るのか?
とか
特に深く考えることなく今まで動いてきたけど、
さすがにNPO法人設立から5年も経つと、色々な場面で色々な意見を求められたりすることが増えてきて、
最近の講演では自分のルーツ的な話をすることが多い。
2015年11月1日でNPO法人Ubdobe設立から丸5年が経った。
事業計画も資金も何もほとんどない状態で始めてから5年も経つのか。
この5年で何が変わって何が変わらず自分の中にあるのか。
STAR WARSもEpisode7を迎える年なので、細かく分けてNPO法人5年+任意団体2年の歴史を振り返りたいと思う。


<Episode1(2008年-2010年)>『楽しいを創る』
サラリーマンを辞め、音楽療法の専門学校に入学して1年が経つ頃には僕は学校の勉強に全く興味を示さなくなっていた。
ただ、音楽療法の現場で子ども達やじいちゃんばあちゃんと歌ったり踊ったりするのは楽しくやっていた。
いわゆる「音楽療法」的な雰囲気のクラシックやおとなしいミュージックが苦手だったので、僕らはレゲェアレンジとかロックアレンジをして演奏していた。
高齢者介護や障がい者移動支援の現場バイトも始めていたので業界内で山積みになっている問題に目を向け始めた頃かな。
専門学校の仲間達と「Kodomo Music & Art Festival」(KMA FES)を開催しようと決めた。
「障がいがある人はこっち、障がいがない人はそっち。」と分けられる現代社会では互いに違いのある人同士が知り合うことなく生きている。そりゃ差別も生まれるわ。だって知らないんだもん。知らないものは怖いからね。
だったら知り合おうぜ!という単純すぎる思考でやった企画。専門学校周辺の特別支援学校や小学校や学童や保育園や幼稚園や病院にフライヤーをまいて集客した。知り合いを介してアーティストを数組集めてDJ・VJ・LIVE・DANCE・WORKSHOPなどをコンテンツに障がいのある無しにかかわらず一つの空間で同じ時間を「楽しく」共有するというだけのものだ。100人くらい来てくれたのかな。なかなか楽しかったし、自分もステージでドラムを叩いていたなー なんて思い出す。
裏話として、実はこのイベント当日の朝に認知症で入院していた祖父が肺炎で亡くなったのだ。
僕は朝一、イベントの仕込みを仲間に任せて病院へ駆けつけ、祖父に最後のお別れをして見送った。
その日まではなんとなく、「自分のイベント」という感覚でやっていたのだが、病院から戻った僕は驚いた。イベント経験などない若者たちがしっかりと仕込みを終わらせてイベントをオープンさせていた。リーダーのうち1人は当時18歳の男子で今はドクター目指して医大に通っている。もう1人のリーダーは当時20歳の女子で現在のUbdobe事務局長である舘野である。

イベントが終了してしばらく経った冬の夜、KMA FESをもっと大きな規模で開催したいと思った僕らは代々木公園の野外ステージをノリと勢いで予約した。
そして1年後の2009年12月、Shing02や曽我部恵一など野外フェスに引っ張りだこなアーティストたちをブッキングして自分たちのキャパを悠々と超える規模感でKMA FES 2009を開催した。当時ボランティアスタッフとして俊敏な動きで1セクションを担当してくれていたのが今の理事でもある岩松で、このイベントにお客さんとして来場していたのが同じく今は理事である工藤だ。
こうして想いを形にしていくとどんどん出会っていく、素敵な人たちと。

ちょっとずつ団体っぽくなってきた2010年、医療福祉情報に縁遠い若者たちの遊び場に「学び」を投下しようと思って開催したのが「SOCiAL FUNK!」。僕自身がクラブで遊びまわって全然家に帰らない生活をしている最中にいつの間にか母親がガンになり、入院から半年で亡くなってしまうという経験をしていた。ガンというものが何なのか全然分からなかったしどうやってその情報を得たらいいのかも分からず何もできなかった。その悔しい想い、後悔が今の僕の原動力ではあるが、せめてその経験をした僕はメッセージを発信したいのです。「色々な病気とか障がいがあるよ。その情報を少しでも持っておくだけで自分や家族のために活かせる時がくるよ。だから遊びながらでも、ちょっとだけこの医療福祉というファッキンお堅いものに触れてみようぜ」と。この年に初めて東京以外でもイベントを開催した。古都京都にて。頭のおかしい了瑛っていうお坊さんが中心となって西本願寺という歴史ある場所で開催した。了瑛は現在、築地本願寺で働いている。今でも変わらず最高の仲間である。

そんなこんなで2010年11月にNPO法人化するわけだけれども、実は特に重大な理由があったわけじゃないんだよね、法人化にあたって。
事業計画をしっかり練ったわけでもなく、資金もなく、ノリで創ったというのが本音。しいて言うならば、「20代のうちに代表理事ってものになってみたいなー」くらいの薄い感じ。そんな薄っぺらい人間が何にもしないから、書類作成から都庁への申請まで全てやってのけたのが事務局長の舘野。今でも頭が上がりません。

*参考リンク
・SOCiAL FUNK!とは http://ubdobe.jp/tag/social-funk-tag


<Episode2(2011年-2013年)>『お金を創る』
法人化して4か月が経った3/11。日本列島がでっかく揺れ、多くが波に襲われた。僕は世田谷ボランティアセンター災害対策本部の鈴木さんと共に10日後くらいに女川・石巻・仙台に入った。避難所のある小高い丘の中腹には車がそのまま刺さっていたり、地盤沈下によって海に近い土地は時間帯ごとに浸水を繰り返していたり、大きな避難所の外には遺体を収容するための巨大なテントが建てられ、壁には遺体の氏名リストが貼り出されていた。なんともショッキングな光景にやられてしまった僕はそれから何ヶ月も毎週毎週被災地に通い始めた。リラクゼーションセラピストと美容師を連れて避難所を廻り、アーティストやミュージシャンを連れて子ども達に「楽しいを届ける」という活動を続けた。僕自身は何もできないんだけど、僕の周りには素晴らしすぎるセンスと技術を持った人たちがわんさかいることに改めて気付かされた。

東北での活動が少し落ち着いた10月にKMA FESの第三弾を開催した。代々木公園よりもさらにでっかい読売ランドという遊園地を借りて、ステージを3つも作って、相当なお金をかけてアーティストを集め、渋谷のスクランブル交差点でイベントのCM映像を流すまでして開催した。
そして、、、思いっきり失敗したのだ。ぐふふ。見事に集客にこけて、大赤字!ここから始まったのだ「お金」との戦いが。
それまでまともに事業計画を作ることもなくノリだけでやってきたツケが回ってきた。破産宣告してリセットした方がいいのではないか?とかいっその事逃げてしまおうか?とか色々悩んだ末、周りのサポートのおかげで、向き合うことにした。
野外フェスでのキッズ&ファミリーゾーン事業「Ubdobe Caravan」を加速させ全国展開し、子どもができたから遊びに行けないなんていう制限をなくすために奮闘したり、今まで自分たちだけで勝手にやってきたイベント制作やグラフィックデザインなどを企業からの仕事として受託するクリエイティブチーム「Ubdobe LAB」を作ったりした。やはり企業からのお仕事は金額も大きいし制作物も高い品質を求められるので、体力的にも品質的にも団体が全体的に向上したのだ。
今でも思う、あの時逃げなくてよかったなー と。

2012年になって、医療福祉系の従事者が集まるコミュニティというかイベントに顔を出し始めた。そこで出会ったのが介護ラボしゅうの中浜くん。のちにうちの理事に就任してもらうわけだが、むかつくくらいイケメンで、かつ腹がよじれるくらいボケをかましてくれるナイスガイ。幾つかのトークイベントを覗いているうちに、うちもやりたいなって思って始めたのがWellCONです。まー正確に言うと当時うちのスタッフだった女の子が「医療福祉業界には出会いがなさすぎる!」と嘆いていたから「じゃー、合コンやるか!」って言って始まったチャラい理由なのだが、それは内緒にしておこうじゃないか。
WellCONは今では北海道から沖縄まで全国8エリアで開催されるでっかいコミュニティになって、各地の支部長が各地の仲間たちと奮闘している。
なぜ僕がWellCONを全国で開催したいか。そもそもWellCONの価値って何?という部分にも触れておきたい。
僕が現場にいた頃も今も状況はほとんど変わらず、医療福祉従事者の中には身体を壊したり心を病んで辞めていく人が後を絶たない。
この原因は僕は一つだと思っていて、「外に出ないから」だと思うんす。自分の職場と自宅との往復だけで生活が完結していて、同じ業界で働いていながらして他の人がどのような働き方や生き方(介護技術や役職の形態やキャリアアッププランなど含め全般的に)をしているのか全く知らないという状況。そういう状況が続くと視野も狭くなり、視野が狭くなっていることにも気づかずにどんどん内側に閉じこもっていってしまう。もちろんそれが好きで閉じこもっているならいいんだけど、いつの間にかハマっちゃって抜け出せないでいる従事者が山ほどいるのです。
なんの業界もそうだと思うけど、外からの見た目を良くするのも大事だけど、やはり内部が活性化していないと本来の力を発揮できていないと思うんですよね。
逆に言うと、内部(現場・従事者)が盛り上がれば業界全体が良くなり、そこに外向けのブランディングを加えることで若者たちがこの業界に興味を持ってくれるようになると思うのです。WellCONを各地で定期開催できるようになったら、次は各地でSOCiAL FUNK!開催に向けて動きたいと思っているのであーるよ。中も外も大事だからね。そして全国で開催するということはお金もかかるということ。だから必然的にお金を稼がないといけない。
やりたいことがあるから、金を稼ぎ、使う。これ健全。

2013年にリクルートのHELPMAN JAPANに取り上げていただいてから、テレビやラジオなどの依頼がどんどん増えた。NHKハートネットTVにも出させていただき、全国放送されてから家族も応援してくれるようになった気がする。それまではイマイチ僕が何の活動をしているのか分かっておらず、「いつまでフラフラしているんだこいつは」と思われていたのだ。
今では自信を持って言える。「俺は日本と世界の医療福祉業界を活性化させることで、どんな人でも自分で自分の人生を選択できるようにするんだ」と。
たとえガンであっても足が動かなくても目が見えなくても耳が聞こえなくても、友人や家族と行きたいところへ行き食べたいものを食べ人生を謳歌しFREEDOM LIFEを実現するのだー!!と地球上のすべての人に伝えたいっす。もし一人ではできない時には、僕ら医療福祉従事者がいるから大丈夫って言いたい。
そう、人生はヤーマンである!!!!

*参考リンク
・Ubdobe Caravanとは http://ubdobe.jp/tag/ubdobe-caravan-tag


<Episode3(2014年-2015年)>『繋がりを創る』
まー落ち着けよ岡くん。自分たちの活動が他者に認められるって嬉しいじゃん?つい舞い上がっちゃったぜ。
去年くらいからそんな想いが国家機関にも届き始め、今までの人生では出会ったこともない頭の良い人たちとお話することができている。
2014年には厚生労働省が主催する介護人材確保地域戦略会議というなんだか凄いやつの有識者として選んでいただいた。全国の行政機関で介護福祉の担当窓口を担う部長や課長さんたちに「ヤーマン!人生最高だぜ!」と語れる機会をいただいたのだ。そのおかげで全国からイベント制作のお仕事やデザインの相談、講演の依頼などがどんどん入るようになった。調子に乗るときはとことん調子に乗るんです僕は。全国の行政機関を飛び回ってイベントやデザインの提案をしまくっております。(現在進行形)
そして2015年、とうとう現内閣総理大臣夫人の安倍昭恵さんのイベントにも呼んでいただき、昭恵さんと日本酒も酌み交わし「ヤーマーン!」と拳をごつんと当てあった。僕を採用してくれた谷さん、本当にありがとうございます。
それにしてもよくまーこんなに人とどんどん繋がるもんだよね。谷さんと出会ったのも、数年前に僕が無料で引き受けた講演会だった。
周りの人によく「講演会の料金を決めて、どんどん売ったほうがいい」と言われるんだけど、僕はあんまりそうは思わないんだよね。
お金が介在したってしなくたって素敵な出会いは日々そこらじゅうに溢れているわけだから、自らそこに行くか行かないかによって全て変わってくると思うのですよ。
全国、全世界どこにでも僕は行くし、行きたい。お金の有無にかかわらず。だから呼んでください。僕も呼びたいと思われる人間であり続けます。

今年も色々なことがあったね。中でも富士通デザインとの共同事業「認知症の人が暮らしやすい家のデザインワークショップ」が立ち上がったり、介護福祉業界の老舗出版社である中央法規出版さんとの取引が始まり、介護専門誌「おはよう21」の全面リニューアルからその後のデザイン制作全般を任せてもらっていることは団体としてもかなり大きな変化だ。リニューアルの際に、もともとイラストだった表紙を医療福祉業界で働くステキ女子男子を撮りためたアルバム「Ubdobe Collection」に載っているモデルさんの写真に変えたことで雑誌のイメージを大きく変えることもできた。いいか悪いかは別として。いやいやいや、絶対写真のほうがいいっしょ!
このままの勢いでお仕事をどんどん増やして、全国で活動する支部メンバーの活動費を稼ぎたいと思うわけです。
が、お仕事ももちろんそうなのですが、KMA FES・SOCiAL FUNK!・WellCONなどといった活動自体に賛同してサポートしてくれる会員さんも増えて欲しいと思っています。どうやって増やしたらいいのかさっぱりわからないのですが、とにかく「お前らの活動応援してやるぜ」という方いたらご連絡くださいませ!

*参考リンク
・Ubdobe Collectionとは http://ubdobe.jp/tag/ubdobecollection-tag
・サポーター会員とは http://ubdobe.jp/supporter


<Episode4(2016年-????年)『結果を創る』>
そしてこれからの話。
『楽しいを創る』『お金を創る』『繋がりを創る』と進んできたわけですが2016年からはこれ。しっかり『結果を創る』こと。
なにせ全てにおいて適当な岡くんはPDCAサイクル(PLAN・DO・CHECK・ACTION)のうちPCAが苦手です。自称「DDDDサイクル」つまり「DODODODO(やるやるやるやる)」しかないのですが、それだけでは良くないなと思うタイミングが増えてきています。
そもそも活動のきっかけが全て直感や経験に基づいて、自分が違和感を感じる物事に対して働きかけをするという順番でしてきたので多分人間というより動物的な本能のまま。
真面目な話ですが、これからはもっとしっかりとエビデンスベースドな活動をしていきたい。自分たちの活動が実際、どれくらいの人にどれだけのインパクトを与えることができているのかが知りたいし、それを数値化して視認できる状態にすることでまた法人としての価値を上げたいと思うのです。
やっべー34歳にもなるとおっさん真面目に語っちゃうんだね。そしてこれを実現するにはやはり仲間が必要だよね。
とは言っても、大前提として「仲間がいないとできない」とは思わない。「仲間がいれば尚良いが俺一人でもやったるで」的な思想のもと、おじさん頑張るから着いて来いや的なね。

たった2人とか3人で始まった活動も今は仲間も増え、北海道のつぐみ・東北のまなみ・東海のやよい・関西のくくなり・中国のちかい・九州のかいき・沖縄のゆかなど全国の支部長がどんどん活動を広めていってくれています。この活動自体に興味がある人は是非参画してほしいし、サポーター会員として応援してくれる人にも増えてほしい。
理事の舘野(事務局長)・岩松(看護師)・工藤(社会福祉士)・中浜(介護福祉士)にもどんどんメディアや講演会に出てほしいし、その依頼が欲しいです。
12月12日と13日には二日連続でNHKで出演させてもらった番組が放映されるし、12月20日にはUbdobeの5周年記念パーティに全支部長と全理事が集結する。
もし少しでも興味があったら是非、現場に来て話しかけてくださいませ!!!!
6年目のUbdobeにもご期待ください!!!!
ヤーマン!!!!

*参考リンク
・12/12 21:00~ NHKスペシャル http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20151212
・12/13 15:00~ NHKハートネットTV(Eテレ) http://www.nhk.or.jp/heart-net/index.html
・12/20 12:00~ NPO法人Ubdobe 5周年記念パーティ http://ubdobe.jp/news/4059.php