皆様こんにちは!
 はじめてブログにおじゃまいたします、コントラバスの佐藤美穂と申します。私がセントラル愛知交響楽団にお世話になって4年。演奏会の度に、たくさんの作品や人との出会いがあり、お陰様で充実した日々を送らせていただいております。
 さて、今年も街がクリスマス色に染まると同時に、音楽界も「第九」シーズンなるものが始まりましたね。セントラル愛知恒例の「悠久の第九」公演では私も毎回、大きな感動をいただいております。

 そういえば…私がコントラバスを弾きはじめてから、第九に出会ったのは確か大学時代だったと思いますが、はじめてその緻密なパート譜を見た時の衝撃は今でも忘れられません。(このtempoでコレ!?こんな事弾いてたんだ!?とか…)

それは演奏するだけでも苦労する箇所は多々あり…中でもチェロとコントラバスの最大の出番となる第4楽章の初めのレチタティーヴォは、何度弾いても緊張が絶えません。いかにして、私たちの音でベートーヴェンの描いた訴えを語るか、また否定を乗り越えた先に静かに現れる「歓喜の主題」で、どれだけの感動を起こすことができるかはコントラバスを弾いてゆく限り、永遠の課題であると感じています。

 それから、低音の歓喜の主題が始まって徐々に各パートが重なり合う部分は、糸が紡ぎあっていくような美しさがあり、大好きなところです。そこからいつもの低音としての役割に戻った時、少しだけホッとできるのです。きっと表情も和らいでいることでしょう!?
この曲では全体を通してカラフルなコントラバスの音色をお楽しみいただけるかと思います。是非、耳を傾けてみてください!

 そして最大の特徴である、人の声とオーケストラとのアンサンブル。全てが一体となった音は、宇宙空間のように広がりますね。苦悩を這い上がって来たからこその魂の響き、本当に果てしなく世界の広いこの作品を、演奏できることが幸せです。
今や演奏会に行かなくても、どこからか耳にする第九のメロディですが、やはり全楽章を通してこそ、その物語を味わうことができます。

 毎回新鮮な悠久の第九合唱団の皆様との音の会話を、今年も楽しみにしております。
素敵な時間となりますように!

佐藤美穂 Cb.