それこそ時代が違って、母や夫は「どくとるマンボウ」は読んでいます。私は全く。。
北杜夫さんの作品で唯一読んだのは『木霊』。しかし内容は霧の彼方

霧といえば、『夜と霧の隅で』で芥川賞受賞しているのですね。知りませんでした。
『夜と霧の隅で』があの作品に関係あることも今知りました。これも読まなければ。

またこの本では結構なページを使い『ヴェニスに死す』について語っています。
そして、映画と原作があまりにも違う、それも、大変重要な真髄のような場所が割愛されているということを知りました。原作を読んでみたくなりました。トーマス・マンが原作だということも知らず、ヴィスコンティの映画しか知らなかった。そしてその時にラストシーンで感じた違和感は、割愛されているからだとわかりました。トーマス・マンがこの作品の中で敷いた伏線が途中不完全なまま飛ばされてしまった。伏線割愛とかありえないですね。

また、「手塚治虫さんの偉大さ」というエッセイは、未発表で「ほとんど遺稿」と端書きつきで、手塚治虫プロダクションの小林氏に送られてきたそうで、それを読むことができたのも良かった。