冤罪で刑務所に入れられる。
多くの場合、濡れ衣を着せられたまま
刑務所で一生を終えるか、死刑になる。
立ち上がったのは
アメリカの新人弁護士、
ブライアン・スティーブンソン。
幼い頃から身をもって
黒人への差別を経験したきた。
無実の罪で投獄された死刑囚を救いたい!
そんな彼が見たもの、実体験、
アメリカの司法制度の
不公平さについて書かれた伝記がこちら。
この伝記は映画化にもなっている。
『黒い司法 0%からの奇跡』
舞台は1980年代のアラバマ州。
黒人への差別がまだ色濃く残る時代。
・黒人への差別的な死刑判決が多い
・公選弁護士制度がほぼ機能していない
・黒人の多い地域にも関わらず陪審員は全員白人
白人女性殺害の罪で死刑を言い渡された
ウォルター・マクミリアン
(ジェイミー・フォックスが熱演)
They know I didn't do this.
They just can't admit to being wrong,
to looking bad.
俺はやってないってヤツらは分かってる。
ヤツらは、間違いを認めたくないだけだ。
ウォルターが犯人だという証拠は何もない。
唯一あるのは、ウソの目撃証言だけ。
その証言は、警察に強要されたり、
刑を逃れるために他の犯罪者がしたもの。
警察は被害者家族のため、
地域のため、そして何より自分たちのために
犯人逮捕に躍起になる。
たとえ犯人でなくても
黒人を逮捕して起訴できればそれでいい。
だから冤罪事件が後を絶たない。
アメリカの刑務所
1990年から2005年の間、
アメリカでは新しい刑務所が
10日に1度のペースで建てられていた。
儲けになるビジネス。
貧困、薬物中毒、移民など
どんな問題でも、投獄すれば解決!
そんな時代もあった。
自分ごととして考える
You can't understand most of the important things
from a distance, Bryan.
大事なことは、遠くから分からないものだ。
ブライアンの祖母の言葉。
遠い国、アメリカの話だから関係ない。
たとえ国内であっても、
私には関係ないと思ってしまうことが多い。
自分や身近な人が被害にあったり
関わったりしたときに初めて
分かることが多いものだ。
でも、そうなる前から
国内の出来事、世界の出来事に目を向け
「自分ごと」として見ていきたい。
EJIを設立
これまで冤罪の死刑囚を100人以上救ってきたブライアン。
そんな彼は友人と共にEJIを設立している。
人種や性別、障害などを根拠に、不当に逮捕・収監された人々に
法的支援を提供する非営利団体
「イコール・ジャスティス・イニシアチブ(EJI)」