6月の洋書として Black Box Thinking をご紹介しています。
今回は第11章
Libyan Arab Airlines Flight 114
リビア航空機114便
1973年、イスラエル占領下のシナイ半島上空で、
リビア航空機114便がイスラエル空軍機によって撃墜された事件。
計画ルートから外れ、不審な動きをしていたこの便は、機銃で忠告されても従わず、
ついには危険な航空機だとみなされ、撃墜されました。
When something goes wrong,
we like to point the finger at someone else.
何かが上手くいかないと、
誰か他の人を非難したくなる。
この事件では忠告を無視したパイロットが悪かった。
乗客が乗っている航空機を銃撃したイスラエル空軍が悪かった。
などと言われましたが、それがまさに、誰かを非難したくなる心理です。
black boxの調査で詳細がよくわかったことで、この事件から学ぶべきことが見えました。
医療現場では、薬の間違いだけでも、毎年アメリカで、およそ130万人もの患者が傷つけられていると言います。間違いがないように慎重になることはもちろん大事ですが、もっと大切なのは、間違ったことを報告できる環境作りだと言います。そんな環境作りができている病院では、エラーが少なくなっていくそうです。
間違いが起こったとき、何かが上手くいかなかったとき、
適切な調査を元に、今後その間違いをどう防いでいくか。
If you don't know what went wrong,
how can you put things right?
もし何がおかしかったのか分からなかったら、
どうやって物事を正しくできるのか?
次回は第12章
The Second Victim
第2の犠牲者