2020年3月の洋書として
The Danish Way of Parenting
をご紹介しています。
6章
N Is for No Ultimatums
Nは最後通告なし
子供の悪さが続いたり、言うことを聞かなかったりすると、
親はよく「○○しないともう知らない!」と言ったり、
子供のお尻を叩くという行動に出たりすることがあると思います。
こういったものを最後通告としてこの章では言われています。
Up to 90% of Americans still use spanking
as a form of discipline for their children.
最大90%のアメリカ人が、子供への躾の方法としてまだ叩くことをしている。
子供を叩くという行為は、日本でも問題とされるようになっていますが、デンマークでは1997年に違法になっていて、スウェーデンではそれよりもっと早い1979年から廃止されています。
そしてヨーロッパの大半を含む32か国以上に同じような法律があると言います。
この躾の方法の違いは、幼児をどのように呼ぶのかにも表れています。
例えば日本でも「魔の2歳」というように、アメリカでもterrible two(ひどい2歳)と言います。
一方で、デンマークではtrodsalderと言い、英語ではboundary ageという意味だそうです。
「境界の年」というような意味です。
まさにこれまでの章で見てきたように、事実をそのまま的確に述べた表現で、「魔の2歳」のように、「悪い子」というラベルではないことがよくわかります。子供をどのように見るかによって、自分がその子に対する反応は変わってきます。
It isn't the child who is bad, it is the action that is bad.
悪いのは子供ではなく、悪いのはその行動。
悪いことと子供を別とする考え方は、まだまだ日本で浸透していないなと感じます。それは学校など教育の現場でも見られます。クラスにいつもいるような「悪い子」は、もう小学校の低学年から「悪い子」のラベルを貼られています。
教師でも親でも周りの大人でも、「悪い行動」と「子供」を分けて考えてはいません。
悪いことをしても、またいつもと同じだと皆が諦めることで、本人も諦めていくのだと思います。
この章で勧められていたのは
子供がわかるように様々なことを説明すること
同じ目標を持って取り組むこと
などです。
教師や親が諦めずに、子供を信じ、悪い行動をやめさせたり、良い行動に変えていくことで、信頼関係が築いていけると思います。そして信頼されて育った子供は、大人になってからも自分の力を生かして仕事をしたり、生きて行くことができます。
次回は7章で、最後の章です。
T Is for Togetherness and Hygge
Tは一体感とヒュッゲ