10月の洋書 The Culture Map のイントロです。
著者がある中国人と一緒に異文化ビジネスについてプレゼンテーションをしていた時のことです。著者が進行役として進めていくなかで、中国人の意見をところどろこで聞きたいと思っていました。
しかし、著者ばかりが話していて、その中国人はずっと黙って聞いているばかりです。
この光景は、この中国人が日本人でも当てはまるかもしれません。
このとき、著者は中国人が全く話してくれないので、最後のほうに質問をしました。
そのとき中国人は意見や情報をたくさん共有しました。
著者は中国人が言いたいことがないからずっと黙っていたのだと思っていましたが違っていました。
中国人は話の途中で割り込むのではなく、自分の番がきたら話そうというスタンスだったからです。
このように文化の違いによって、お互いが自分の文化の中で良いとされていることを言ったりしたりします。異なる文化を知らないと、こういったことから不満が出たり、トラブルになったりする可能性もあります。
だからこそこの本は異文化交流や多文化でのビジネスで役に立つと思います。
国や文化をひとまとめにして語ることはできないという意見があります。
でも、この本は偏見やステレオタイプではなく、ある国や文化がスケールの中のどの位置にあるかという見解が述べられているのが特徴です。
When you are in and of a culture, it is often difficult or
even impossible to see that culture.
自分がその文化の中にいると、
その文化を見ることは困難だったり、不可能でさえある。
留学をしたり、他の国に住むと、日本のことがもっと分かるようになった。
という声を聞いたことはありませんか?
これは異なる国や文化を見たり、経験したりすることで、新しい視点から自分の国や文化を見ることができるため、それまで気づかなかったことに気づくようになるからです。
体験することはすぐにできなくても、この本なら、具体的な体験談を読みながら、異文化や誤解が生まれる経緯について知ることができ、理解することができると思うので、お勧めの本です。