9月の洋書は、The Art of Thinking Clearlyです。
中古本を送料込みで300円ぐらいで見つけたのでそれを購入しました。たくさん本を読むので、できるだけ中古で良い状態の本が販売されているかを先に見るようにしています。もし中古で売られていなかったり、売られていても状態が悪そうだったら購入しません。
しばらくアマゾンのほしいものリストに入れておいて、たまに価格をチェックして良いものがあったら購入します。新刊や新品はほとんど買いませんが、どうしてもその本が早く読みたかったら買うこともあります。
この洋書は章ではなく、99個の項目に分かれています。どんなふうに考えるか、明確に考える方法、様々なmisconception(誤解)などについて書かれています。自分が思っている当たり前や普通という基準について、改めて考えるきっかけにしたいと思います。
99個の項目を10個ずつぐらい読んで、10回にわけてご紹介していく予定です。
今回は1から10の項目です。
1)survivorship bias 生存者バイアス
何かの選択過程を通過した人や物だけに焦点を当てて、通過できなかった人や物は見えないため見逃してしまうというバイアスのこと。
2) swimmer's body 水泳選手の体
水泳選手の体は、訓練して体が鍛えられるというより、元から水泳選手に向いている体つきであることが多いという考え。
3) clustering illusion クラスターの錯覚
人間の脳はパターンや規則性を認識するようにできている。しかし、それを意識しすぎることでランダムな出来事に規則性があると錯覚してしまうことがある。
4) social proof (herd instinct) ソーシャルプルーフ(群れの本能)
Individuals feel they are behaving correctly when they act the same as other people.
他人と同じように行動する際、個人が適切に行動していると感じる。
日本で言うと、「赤信号、みんなで渡ればこわくない」と同じようなものでしょうか。広告やソーシャルネットワークなどもこのソーシャルプルーフが関連しています。
5) sunk cost fallacy (concorde effect) サンクコストの誤信(コンコルド効果)
何かにお金でも時間でも投資すればするほど、サンクコストは多くなり、それがどんなに悪いもの、ダメなものだと分かっていても継続したくなること。例えば、カップルや夫婦の関係で、もうダメだと分かっていても、これだけ時間もお金も費やしてきたんだから別れるのはもったいないなどど思うことです。
本当は、これまでにどれだけ投資したかよりも、将来に向けてその人や物事に投資するのが良いかどうかを考えるべきです。
6) reciprocity レシプロシティ、返報性
人から何かをもらったらお返しをしなくてはいけないと感じること。企業から無料で商品をもらったり、人から何か無料でもらったら、それに対して商品を購入したり、人にお返しのプレゼントを渡したりしないといけないと多くの人が感じることと思います。だから著者はなるべく無料で何かもらったりしないのが良いと言っています。
7) confirmation bias part1 確証バイアス
自分が信じていることや、仮説を支持するような情報や意見ばかりを探し求めて、反対の情報や意見は無視することにより、バイアスになる。
We filter out any new information that contradicts our existing views.
私たちは既存の観方に反する新しい情報を除外する。
8) confirmation bias part2
インターネットは特にこの確証バイアスに溢れていると言います。自分の価値や考えを支持するようなウェブサイトや記事を選んで読むことができるためです。
偏りがないように、様々サイトや人の記事を読むことが大切です。
9) authority bias 権威バイアス
昔なら、飛行機の中でパイロットの言うことは絶対で、副操縦士や客室乗務員はパイロットに対して意見を言うことさえできなかったと言われています。現在でも企業の社長や重役に、平社員が意見を言うことはあまりできないかもしれませんが、昔よりは「権威」のある人とそうでない人の境目はなくなってきていると思います。
10)contrast effect 比較効果
何か比較対象があるから、値段が安い、あの人はきれい、という判断をします。元の値段から50%オフというように商品がセールで安くなっていると、それを「安い」と感じて購入します。元の値段が非常に高いものでも、セールになっていると「安い」と感じる。この効果は日常生活で最もよくであるでしょう。
1つの項目が2,3ペーなので、隙間時間に読みやすいです。
次回は11から20をご紹介します。