今日は、ずっと書けなかったことを書こうと思います。
きっと、誰にも読まれなくてもいい。でも、忘れたくなくて。
あの日の朝は、いつもと何も変わらない朝でした。
彼は少し寝坊して、急いでコーヒーを飲んで、玄関で靴を履きながら「今日ちょっと遅くなるかも」と言いました。
私は、台所から「うん、気をつけてね」と返しただけ。
ちゃんと顔も見ずに。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
そのやり取りが、最後になるなんて思いもしませんでした。
――――
お昼過ぎにかかってきた電話のことは、今でもはっきり覚えています。
知らない番号で、でもなぜか胸がざわついて、手が震えました。
「○○さんのご家族の方ですか?」
その一言で、全部が崩れました。
何を言われたのか、正確には覚えていません。
ただ、「事故」「搬送」「すぐに来てください」という言葉だけが、頭の中で何度も繰り返されていました。
病院に着いたとき、彼はもう何も話せない状態でした。
でも、顔は朝と同じで、少しだけ眠っているみたいで。
「ねえ、起きてよ」
「遅くなるって言ったじゃん」

何度も、何度も呼びました。
でも、返事はありませんでした。
――――
それから、時間だけが過ぎていきました。

部屋には彼のものがそのまま残っています。
読みかけの本も、脱ぎっぱなしのパーカーも、冷蔵庫に入れたままのヨーグルトも。
全部が「続き」を待っているみたいで、
でも、その続きを持っている人は、もうどこにもいない。
時々、玄関の鍵の音がした気がして、
思わず立ち上がることがあります。
「ただいま」って、帰ってくるんじゃないかって。
でも、そんなことは一度も起きません。
――――
もし、あの日に戻れるなら。
ちゃんと顔を見て「いってらっしゃい」って言いたかった。
抱きしめて「今日も頑張ってね」って言いたかった。
どうでもいいことで笑い合って、少しだけでも長く一緒にいたかった。
たった数秒のことなのに、
それがもう二度とできないことが、こんなに苦しいなんて思いませんでした。
――――
これを読んでいるあなたへ。
大切な人に、ちゃんと「おはよう」って言っていますか。
「いってらっしゃい」って、ちゃんと顔を見て言えていますか。
その何気ない一言が、
もしかしたら、一生の宝物になるかもしれません。
私は、あの日の「いってきます」を、
一生忘れられません。

ここで大切な友達に会って心の悲しみに勝ちたい。
私の悲しみを聞いて慰めになりました
ありがとうございます。