年末から、訪問介護のお仕事でおじゃましている90代の耳が遠い女性。
脚が悪く、ほとんどベッドでの生活。排泄はおむつです。
生活のほとんどをベッド。たまにベッドに腰掛けたりはできますがほぼ寝たきりに近いです。
ほぼ寝たきりなので、お尻の仙骨部分は骨が出てきて赤くなってきます。
そのまま寝たきりだと確実に褥瘡になります。
だから、なるべく寝たきりを回避しようということで、その日のヘルパーさんはみんなで排泄介助がおわったらベッドに腰掛けてもらうようにしています。
ただ、腰掛けているのも苦痛だろうということで、その間に足湯してもらい、温タオルでの洗面に歯磨き(そのかたは、歯がまだ残っています!すごい!)を、ちょうどその時間にやっている時代劇をみながら、多少介助しますが、ほとんどご自身の手でやっていただいています。
ある日、ベッドの端に手鏡とブラシが置いてありました。
ひょっとして、手が動くのならどうだろうと、
歯磨き洗面が終わった彼女にどうぞ!とブラシと手鏡を差し出してみました。
最初は、いいわ、いいわ!と言われていましたが、毎回の訪問のたびにべっぴんさんになってよ~(≧∇≦)と懲りない私が渡すと、そう?と手鏡を持ってブラシでボサボサの髪の毛を梳かしはじめると、
みるみるうちに、寝たきりの髪の毛ボーボーおばあちゃんが、こざっぱりといい女になっていくではないですか!
しおれていた表情も心なしか目に光りが出てきて、口数もふえていきました。
正直、ベッドで寝てる時は無表情で枯れていた印象でしたが、毎回訪問に入るたびに笑顔がふえて日に日にご自身のお話をたくさんしてくださるようになりました。
先日、髪の毛を梳かしているあいだに、足湯で暖かくなった足の指をタオルで拭いているとポツリとひとこと、
「私、お風呂はいってないんだよ。もうお風呂入れないかしら、お風呂入りたいな…」
…この方、かれこれ一年近くお風呂に入れていません。ご家族さんやヘルパーが温タオルで身体を清拭する程度です、
たいてい、自力でお風呂に入れなくて自分のお家で生活しているかたは、デイサービスでお風呂をすませたりするのですが、この方は訪問介護の契約と同時にデイサービス契約まで済ませていたのだけれど、なにが原因かわかりませんが寸前で「行きたくない」とデイサービスに行くことなく今まで生活されていました。お風呂も当然入れていません。
そんな彼女が、お風呂に入りたいなって言葉を発するようになったのです!
身体は年相応かもしれませんが、心の健康が少しずつ元気になってきているのではないかと思います。
涙が出るほど嬉しかったです。
きまぐれかもしれませんが。
その時おもったのは、ひょっとしたら温タオルで洗面、歯磨きしてからの自分で鏡をみて髪の毛を梳かすという行為が、ちょっとしたきっかけになっているのではないかな?と
だとしたら、どんなに寝たきりでも年をとっていても、いや、年をとっているからこそ
みだしなみって大事なんだと思います。
無理強いはできませんが、暖かい季節になったら彼女がデイサービスでお風呂に入れたらと願っています。
そしていつか、彼女の頬にばら色のチークをつけさせてもらいたいって思っています。
長~い話を読んでくれてありがとうございます!