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本日、気温は低いながら晴天に恵まれ、私の門出である「得度式」が滞りなく行われました。

「得度」とは、正式な作法を通して、僧侶に相応しい姿となることによって、仏の徳を身
に具えることを意味します。

この度「得度」を受けるはこびとなった私は、念願叶い支えて下さった師僧をはじめ、関係者の方々の「仏縁」が成就して、本日の喜びの日を迎えることができました。

式はまず、戒を授ける師僧(受業師・じゅごうし)が入堂して本堂を酒水荘厳しまして、私が白装束姿で入堂して、師への丁寧な三拝をいたします。

次に、奉請…式を見守っていただく、仏法僧の三宝に帰依をして、証明を願います。
続いて礼讃文…私が志を讃え、出家の功徳を高らかに表明しました。

そして、いよいよ剃髪です。師僧に剃刃で全て剃り落としていただきました。

その後、安名(あんみょう)・授坐具衣鉢と続き血脈(けちみゃく)を頂きました。

続いて、授菩薩戒法という仏弟子として行きていくのに必要な戒(菩薩戒)を授けました。

本日、親族である母と妹も出席してくれて、母と妹に三拝する時、これまで育ててくれた母は人目をはばからず大粒の涙を流し、私の剃髪した姿がよく見えなかったのではないでしょうか…

その時、私もこれまで女手一つで育ててくれた母のことを思うと、込み上げてくる感情を抑えることが出来ませんでした。

今日から仏門に入り、世俗を離れ、家族との関係を断ち切らなければなりません。

改めて、青々と剃り上げられた頭と、法衣に袖を通してみると、これから仏に仕える身分になったことに、身が引き締まる思いです。

今日こうして、一人の「僧侶」が誕生しましたが、これから修行を積んでやっと一人前の僧侶となるわけで、やっとスタートラインに立てたに過ぎません。
本日、得度させていただいて、師僧をはじめ関係者の方々には感謝の気持ちで一杯です。
この重みをしっかり受けとめ、本山修行に日々精進して参ります。

最後に、とても嬉しい物を妹から渡されました。なんと手作りのお守りで、裏には「忍耐」の文字が書かれてました。
お寺に修行に行くのにお守りとは少し不謹慎なような気がしますが、大事にします。

妹とは昔から仲が良く、お互い助けあってきて「お兄ちゃんこれからの修行大変だと思うけど、体にきお付けて頑張ってね!」とその言葉と共に渡された時は、ぐっと込み上げてくるものがありました。
本日は、大変涙ぐましい一日でした。

合掌