諸星和己さんの春ライブ、オープニングを飾ったのは光GENJIの『笑ってよ』でした。
これと、ラスト(アンコール)の一曲『I will be there for you』は、ある意味ブックエンドになっていて日英で「僕がいるよ いつでも いるよ」とがっつりハートを挟み込まれる。
かーくんがいるところからは抜け出せません。抜け出そうとも、していないが。
二曲目は『Don’t Let Me Down』
おー!ビートルズ!
しかし、令和8年諸星和己版は、原曲とは何かが違う。英国の曇天ではなくハワイのからっとした青空を感じるリズム。それに加えて秀逸な歌詞のアダプテーション。
♪今年の テーマは 祝福!
と歌っているところはオリジナルなのが明らかでしたが、それ以外も直訳ではないんだ!といまさら気づいたのであります。
かーくんが歌っていた歌詞を思い出しながら、原曲を聞き、え…?これ、なんか、すごくない?と超遅ればせながら感動している次第。いやライブの時から感動はしていたんだけど、原曲の歌詞もうろ覚えだったし、有名曲なのである程度確立した和訳があるのかと思っていたんです。80年代には、洋楽はしばしば「日本語で」カバーされたので、そのイメージでいて。
80年代の自分はまだ子供でしたが、音楽的に”素敵な時代”だったと振り返ります。私は洋楽も洋楽のカバー曲も、子供の頃から好きでした。曲はほぼそのままで、英語の歌詞を活かしながら日本語もうまく当て込んで再構築しているカバー曲を聞くと、なんて賢いんだ!と思います。
たとえば、映画『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984年)の劇中曲「今夜は青春(Tonight Is What It Means to Be Young)」。
原曲を聞いたのはかなり大人になってからで、ファーストコンタクトはカバー曲である椎名恵さんの『今夜はANGEL』でした。
ドラマ『ヤヌスの鏡』の主題歌でしたね。
今でもどちらも好きで聞いています。椎名さんは、圧倒的な歌唱力の女性ボーカル。一方で『Tonight Is What It Means to Be Young』は、女性歌手のソロかと思いきや、最終的にはグループ合唱になっていく壮大かつ豪快な展開が良い。映画とドラマはまったく違うテイストなのに、両方にハマっているのがすごいです。
このお気に入りの2曲についてはいつかブログで書きたいと思っていましたが、期せずしてここで登場してしまいました。
話が逸れました。本日は(も)、かーくんの話でした。
80年代のメソッドを意識したかどうかはわかりませんが、原曲のエッセンスは残しつつ、かんのぺきに諸星和己ワールドに落とし込んだ『Don’t Let Me Down』。少し、歌詞を振り返ってみましょう。
♪おかえり 俺のもとに
Nobody ever loved me like she does. の部分だと思うのですが、ここは直訳すれば「彼女みたいに僕を愛してくれる人はいなかった」。
原曲には「おかえり 俺にもとに」に相当する歌詞はどこにも出てこないのです。でも、かーくんは最初からこうだったよと言わんばかりにスマートに歌っていました。
くーっ…おかえり!おかえり!いい子にして待ってたよ!は、ムクドリのごとく日本の巣で待っているこっちが言うセリフですよ。それを、言われちゃうんですよ、逆に。おまえらがふらふらしてたんだろ~俺はずっとここにいたのに。みたいな♡
♪きっと永遠に続く 愛なんだ
は、オリジナルのIt’s a love that lasts forever ほぼそのまま。
ビートルズの『Don't Let Me Down』はジョンがヨーコを想って書いたパーソナルな曲という解釈が一般的なようですが、諸星和己版はもう少し博愛に近いものを感じます。…と同時に「日本語にしていないだけ」で、オリジナルが持つ曇り空の下で永遠の愛を希う切なさも踏襲しているような。
これは…「2曲目」として聞いていたけれど「歌」というより、「語り」パートなのだろうか。
ライブ中、かーくんはふと、
こうなりゃ
あの世に行くまで
ライブを続けてやるからな
と言いました。
適当なことをペラペラしゃべっているようでいて、歌にもトークにもブレがないお方です。
