ムーミンコミックス展(横浜・そごう美術館)を見てきました。

展示は、本日1月10日までです。
私はムーミン大好き!というほどにはムーミンを知らないのですが、以前から少々ご縁のようなものはありまして。
オリジナルはわりとダークで深い話だと聞くのでおもしろそうだなと思いつつ、ちゃんと読んだことがいまだにないです。今回の展覧会では、コミックスの一部が映像として流れていたのですが、おお、これは、確かに!かわいい楽しい、だけではない。数分の短い映像でしたが見入ってしまい、色々考えさせられました。
しかし、ピュアでいいやつだな、ムーミントロール… (;;)
どうも涙もろいな自分。
ムーミンの作者はトーベ・ヤンソンという女性だというのは知っていましたが、途中から末弟のラルスが引き継いで制作していたことは、今回の展覧会で初めて知りました。トーベが生み出し、姉弟共作の時代を経て、1960年~1975年はラルスが単独で漫画の制作を行っていたと。ムーミンファンにはすでに周知の事実なのかもしれないけど、私にはムーミン=トーベのイメージが強かったから、ラルスの功績はもっと評価されてもいいんじゃないかなあと思いました。
この展覧会を見てひとつ思い出したことがありました。
ムーミンのキャラクターたちの雑貨(なんだったかよく覚えてない。ピンバッジだったかな…)をお土産にもらったことがあります。いくつか種類があり、好きなのを選んでいいよと言われたので私は何気なく「スナフキンがいいなあ」とつぶやいたら、同僚が一言、「ぽい!」。
…ぽいって?私、スナフキンっぽい?スナフキン好きそうっぽい?
当時、同僚とはまだ出会って日も浅かったはずなのに一体なぜ「ぽい」と思ったのか。スナフキンと私に外見上の共通点はないはずだけど。真意のほどを確かめたことはないのですが、それ以来スナフキンにはふわっと親近感を抱いていたっけ…
というわけで、買ったもの。
確かにスナフキンは哲学的で深いことを言う。
そして、やはりかっこいい。いろいろな経験をしていろいろなことを知っている。でも知識をひけらかしたりはしない。憧れます。ムーミンや仲間たちが慕うのがよくわかる。
旅に出て、歌をつくり、みんなのところに戻ってきて、ハーモニカを吹いて歌ってくれるスナフキン。どうも私は流浪の楽師に弱いな。
スナフキンのモデルは、トーベ自身と、弟ラルス、そしてトーベの初めての恋人なのだそうです。
この本では、ムーミンシリーズの中でスナフキンが登場する場面が切り取られて紹介されています。名言シリーズとありますが、私にはムーミントロールがどれだけスナフキンを大好きであるかが強く印象付けられました。ムーミンとスナフキンは男同士、親友で、お互い思いやっているけれど、キャラクター上、ムーミンの感情表現の方がストレートなのです。(スナフキンも騒がしい一家や仲間たちのことをちゃんと恋しがっているのですが)
旅人スナフキンは、冬になると南の方に出かけて行って、春になるまでムーミン谷には戻りません。ムーミンは、スナフキンが旅に出なければならない理由をよくわかっているのですが、それでもさみしがります。
でも、手紙は短く書くんだって。
スナフキンにどんな手紙を書けばいいのか知っているのは、ムーミントロールだけでした。あっさりと短く。約束するだの、恋しいだの、かなしいだのということは、いっさい、これっぽちも書きません。そして最後は、げらげら笑いだすようなことで結ぶんです。
『ムーミン谷の十一月』
スナフキンからの手紙も短い。
いつもの大きなまるい字で「やあ」とはじまっています。
手紙そのものは、あんまり長くはありません。
『やあ。よく眠って、元気をなくさないこと。あたたかい春になったら、その最初の日に、ぼくはまたやってくるよ。ぼくが来ないうちは、ダム作りをはじめないでね。 スナフキン』
ムーミントロールは、いく度もいく度も手紙を読みかしました。
『ムーミン谷の冬』
ここにきて、どうした、私は。
ムーミンに感情移入しているのか?
そうでなければ、ムーミンキャラマグ(もらいもの)を引っ張り出してきて南の方のコーヒーを淹れてスナフキンの名場面集を見て、泣いて鼻をすすっているわけがない。

これは、早めのパブロンを飲んだとしても、おさまらない症状なのです。
今日はこの後、もう一回更新します。
