久しぶりに洋楽の話を。

 

色々書きたいと思ってはいるのですが諸事情によりええホント諸事情により(笑)、なかなか手がつけられなくなっているので、思いつくままに3曲お送りしたいと思います。

 

It Just Happens(Roxette)

 

 

It happens…「たまたまだよ」とか「そういうことあるよねー」とか「だってこうなってしまったのよ!」とか言いたい時に使うんだと思う。

 

自分では制御しきれない、ただ起ってしまうこと。

 

この曲が歌い示す「ただ起こってしまう」ことは、コーラスでも繰り返される

You fall in love

すなわち恋に落ちることである。

 

It just happens 

ただ起こるだけ

You don't know what's going on 

あなたには 何が起きているかわからない

If it's new or if it's been there since long 

新しいのか ずっとそこにあったのか

If it's right or wrong

正しいのか 間違っているのかも

 

この曲のPVは、オムニバスラブストーリーになっています。映画「ラブ・アクチュアリー」をちょっと思い出した。

 

 

イギリスのバンドKeaneの"Spiraling"(2008年)という歌に、

When we fall in love
We're just falling


という歌詞がある。


Spiraling (Keane )

 

 

私、これも

 

恋に落ちる時は
ただ落ちるだけ

(不可抗力)
みたいに聞いていて、そうですね…
っと思っていたんだけど、どうやら長年(自分の)誤訳で解釈していたらしい。

When we fall in love
We're just falling


に続くのは
In love with ourselves

つまり一文にすると

When we fall in love we're just falling in love with ourselves
恋に落ちるとき 我々は自分自身に恋しているにすぎない


みたいなことだった?

歌詞全体をよく読むとそういうことらしい。よく読んでなかったんですね、2008年当時^^; 

この曲のタイトルはspiralling(スパイラリング 渦巻き らせん状の)。 
なんとなく合点がいく。

この曲が収録されたアルバム”Perfect Symmetry”のAmazonのレビューに「多幸感すら感じさせる曲調」(確かにそれまでのKeaneよりエレポップ寄りな仕上がりだったと思う)とあるのだが、”Spiraling“の歌詞はちっとも多幸じゃない。思い通りにはいかず、グルグル渦巻いて(spiralling)、荒れて(tumbling down)いる。

前から「問いかけ系」の歌詞がたたみかけるところも好き。 

Did you want to be a winner?
勝者になりたかった?
Did you want to be an icon?
アイコンになりたかった?
Did you want to be famous?
有名になりたかった?
Did you want to be the president?
大統領になりたかった?
Did you want to start a war?
戦争を始めたかった?
Did you want to have a family?
家族を持ちたかった?
Did you want to be in love?
恋に落ちたかった?
Did you want to be in love?
恋に落ちたかった?


全部Did(過去形)で、聞くところが残酷である。


そしてこの後
I never saw the light
僕は光を見たことがなかった


と続く。

ポップな曲調に惑わされるなかれ。なかなか意味深で、暗くて、好き(笑)


KeaneのアルバムにはCD屋さんでCDを物色していた時代に出会った。"Spiralling"が一番印象に残っているんだけど、その前から聞いていたんだった。例えば2006年の"Try Again"。

 

Try Again (Keane) 

 

 

この"Try Again"が収録されているアルバム”Under the Iron Sea”は、発売当時よく聞いていたはずなのに、これまたなぜかつい最近まで忘れていた…。この"Try Again"久しぶりに聞いたな。メリハリのあるタイプの曲じゃないけど、「波長が合う」ような気がして、自分にとっては切なさと心地よさのバランスがよい。ちょっと睡眠導入歌っぽくもある。

Wiki情報ですが、この曲をつくったKeaneのTim Rice-Oxleyによるとこれは「通勤者のラブソング」なのだそう。遅い時間に電車に乗って家に帰ってまた朝早く起きて仕事に向かうひとたちの歌。ほーなるほど。そういえば当時、夜の電車の中で聞きながらウトウトしていたかもしれない(笑)


ここ数年非常によく聞く機会のある“Try Again”は、Keaneのそれより何年も前から存在している、別アーティストによる曲の方ですが、そちらについてはまたいつかゆっくり書いてみたいと思います。