今年、2020年は、昨年から楽しみにしているイベントがいくつかあります。渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の『永遠のソール・ライター』展もそのひとつ。
先日見に行ってきました!
1923年アメリカ・ペンシルベニア州生まれのソール・ライター。もともとは父親と同じラビになるために学校に通っていたそうですが、ニューヨークに出てきて写真家として名を馳せます。
私はソール・ライターの写真が好きです。どこがって言われると難しいけど、僭越ながら、「わかる。」と共鳴、共感しやすいのだと思います。「そうそう、そうなんだよね!」って…何が、どう、そうなんだかははっきりしないんだけど(笑)。写真家の意図がなんたるかはわかってなくて、勝手にそうそうって思ってるだけなんだけど。
ああこの視点!自分にもこんな写真が撮れたらなあ~っていう身の程知らずな羨望もわずかにあると思います。(私はいかなるアーティストでもありませんが^^;)
「私の好きな写真は何も写っていなように見えて片隅で何かが起きている写真だ」というライター自身の言葉があるのですが、もうその言葉をそのままお借りしたいです!ライターの写真は何気ない日常の一部だったり、すべてがはっきりと写っていないことが多いのですが、だからこそ見る側が、余白に、かすみの向こうに、自らの物語を重ね合わせやすいのではないかと。
ライターはニューヨークの写真をたくさん撮っています。私は去年ちょっと旅行で行っただけなのに、「あ、この風景知っている」って気になって見ていました(笑)
ニューヨークっていうのは最先端のようであり最古参でもあるみたいな、ちょっと時代を超越した不思議な魅力のある街だと思います。たとえば1950年代と2010年代の終わりには約70年も隔たりがあるのに、同じ風景を見ているような。実際に昔変わらぬところはあるのでしょうね。またニューヨークに行きたくなっちゃったな(笑)。
展覧会の図録ってあまり買わないのですが今回は買いました。キャプションにあったライターの言葉も印象深かったので、それも載っていてよかった!
図録というより書籍のような装丁。
図録を買うと、このポストカードも付いてきます。
他にもポストカードを買いました。どこかに飾りたいんだけどどこにしようか、、考え中です。
ところでこのBunkamuraのある渋谷。私にとっては、子供の頃から一番馴染みのある都会で…いや、馴染みがあるっていっていいのかな、、住んでいるわけでも行きつけの店があるわけでも若い頃遊んだ場所とかいうわけではないのです(笑)ただ、動線的に「通り道」になりがちな場所なので、何十年も目にしてきた街ではあります。
今、渋谷は再開発が進み、色々と様変わりしていますが、普段の自分はあまり気に留めていません。日常の一部として風景が流れてしまう。旅先ではあらゆるものが新鮮に見えるし、思い出にと写真に収めたりするけど、渋谷だと立ち止まらない(苦笑)。スクランブル交差点なんかも当たり前の光景すぎてなんとも思わないけど、写真を撮っている方を見ると、そうか他の場所にはあんまりない構図なんだなと気づかされます。
ソール・ライター展を見た後は、いつもと少し違う視点で渋谷という街を見た気がします。ライターが、自身の近隣の風景を切り取るのに影響を受けたのでしょう。単純ですね(笑)。Bunkamuraからの帰り道、あ、前と景色が変わった!と急に気づきました。ずいぶん前から変わっていたはずなんだけど、身近なものの変化って逆になかなか気付けないものなのかな。