持病と加齢と病床と | 眠る前の寝言

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僕は、昔患った、病(脳卒中)の後遺症と加齢が元で、よく体調を崩し、ちょくちょく入院をする。

幸い今年はまだ無事だが、入院生活から離れていると、ふと入院生活を懐しく思ったりする。 

 それは旅人が、旅情に、山男が山に、誘われるように、ふと思うのです。

旅と、山と、病床の共通項は「非日常」です。そんな普段と違う空間を流れる時間は独特だから、病室を流れる時間は、特殊な時間なのです。どう特殊かと言うと、とにかく暇です。有り余った時間の中、病床で横になっていると、すっかり忘れていると思っていた古い出来事や、昔の知人を、ふと思い出したりします。 きっと、その記憶は、その入院がなければ、忘却の彼方に沈み、忘れてしまった事すら気づかなかったかも知れない。そうして「人生の忘却部位」を入院中に取り戻せたりと、入院生活は、なかなか味わい深い。

 

また、入院期間が一週間だったとしても、ずっとベットに居ると、暇すぎて時間の感覚が狂い、その一週間を一カ月ぐらいに感じたりします。実際の時間より、それを長く感じたら、寿命が延びたようなものでしょ?だって、たった一週間が一カ月に感じたらその3週間分は、「まるもうけ」でしょ。 こんなふうに入院生活も悪い事ばかりじゃないです。しかも、三食昼寝付きの上、みんな、優しくしてくれる。 そんな楽ばかりしてたら、人間がダメに成る?

人生に、そうそう、ダメ人間になる機会なんて無いですって。←ほら、また、なんか得した感じでしょ?
羽目を外し、羽を伸ばすのも悪くないですよ。
病室というゆったりした時間の中で、ゆっくり自分の生活・人生に思いを馳せるなんて機会は、たいへん貴重です。


そんな所からしか見えないモノも有るんです。
たとえば、僕に限らす、入院中の人が、必ず考える事の一つに「退院したら必ず○○しよう」とか[○○食おう」なんて思うのが、有りがちな「入院あるある」ですが、そう思っている自分にふと気付くと、「俺って、そんなに○○が好きだったのか!」なんて気付いて、それが、その後の生活のヒントになる事も有ります。 

 

そんなふうに病床とは、普段は多忙な日常に隠れて見え難いモノが見える特殊な場所なのです。「旅人と旅」「山男と山」「僕と病床」みんな似たようなものでしょ?

こんな事言うと旅人にも山男にも怒られるかもしれないけど、病床だってロマンです。

 

僕の健康状態じゃ、生きている限り、いつ体調を崩しても不思議じゃないし、崩せば、即入院だ。次の病床は僕に何を見せてくれるだろう?なんて思うと、少し楽しみです。