ポジティブ・ノート | 祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

「フランスだったら産めると思った」(原書房)「食いしん坊の旅」(パラダイム出版)「フランスの田舎暮らしとおいしい子育て」(小学館)・・・以来、単行本を出せていない祐天寺りえの、フランスの山の中での、ごく普通~の日々ブログ。

”テーマ”分けを”日常”にするか”教育”にするか”スポーツ”にするか迷った末、”スポーツ”にしてみました。

今日はそんな”どれつかず”の内容ですが・・・。



隣谷クールシュベルのクロスカントリー・チームのミュルエルという女性コーチ。

彼女がなかなか素敵な人で、私はかなりその人柄に惚れている。


祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

ず~っとひたすら喋っているし(お喋りな人間というところで、私は既にちょっと信頼するタチキスマーク)、しかもその喋りがどこかベランメイ音譜

なにより子供達に対して、とってもポジティブアップ


レースの後も好成績の選手からビリの子まで

「今日はどうだった?」

と結果と各自が持った滑りへの感触を訊き、次回に向けての示唆を与える。

明快に快活にベランメイ口調で。


悪かった部分も良かった部分もコメントさせコメントし、喋ることによって選手自身にもコーチにも記憶に残させ、翌日からの練習にそれを活かす。


レースはそれまでの練習の成果を観るためであるとともに、翌日からの課題を感じたり見つめられるための機会。


論理的には当たり前のことなのだけれど、つい忘れてしまうほど、選手は結果ばかりを観てしまう。

その落とし穴をちゃんと明確に埋めているコーチも、意外に少ない。

それができるミュルエルなのだが、もう一つ彼女の大きな魅力は

他チームの子供だろうが関係なく、伸び悩んだり困ったりしている子がいると指導してくれる、バリアフリーなコーチでもあること(コレも意外に少ない。了見が狭いからではなく、皆、それぞれのコーチの領分を犯してはいけないという配慮もあって)。


なのでニ菜は勿論、ジャンプトレーニングでクールシュベルに毎日通っている健太のことも目の端に映るのだろう。

それで多分、ここ数週間、2人のコーチの狭間で「アドバイスがあまりにも違いすぎる」と悩んでいた健太の、ちょっと俯き加減な感じも気にしていてくれたらしい。

先日、私が迎えに行くと、彼女が健太に

「なんか困っていることとかあるんじゃない?」

と声をかけてくれた。


コーチとの問題を訴えれば、たちまち彼女がジャンプコーチ達にそれを伝えることは目に見えているので、健太としてはそれは言いたくない。

だから歯を食いしばって・・・でも堪えられない想いもあったらしく、忽ち目は真っ赤になっていて・・・。


瞬時にその健太の心情を悟ったらしいミュルエルは、すぐに別の方向に態勢を変え・・・つまり悩みを聞き出すことは辞め、彼女からのアドバイスを、いつもの如くベランメイに喋り始めた音譜


「できないこと。できていないことを把握することも勿論、大切だけれど、そればっかり思っていてもラチが明かないことも多いもんだよ。でも健太は真面目だから、できないところを直視して、それを改善しよう改善しようと努力ばかりしてるんじゃないかな?」

と。


「大事なことだよ。いいことでもある。でもヘタするとどんどん苦しくもなっていくかも」


「それより今日はコレができた。ココはちょっと良くなった。それを観るようにする。そしてそれをトレーニングの後、家で小さなノートに毎回書く。そういう風にしてご覧よ。メンタリティがかなり変わってくるよ」


「例えばクロカンだったら、スキーを自然に滑らせる。もっと解き放つ・・・そうすればスピードがアップするのに、それがどうしてもできないで今日も注意された。

そういう日でも”でも腕は前回よりよく動いた”。そう感じたらソレをノートに書く。

今日できなかったことを書くんじゃない。前よりよくなったことを、どんな小さなことでもいいから探して書いてみる」


「テクニックで向上したことはなかったけれど、でもそれに落ち込まないように前よりなっている・・・そんなことでもいい。コーチの機嫌がいつもよりよくて快適に滑れた・・・でもいい(笑)」


ポジティブ・ノートメモ


それは実にいいアイデアだぁ・・・と、脇で私は半ばポカーンと聴き惚れてしまっていた。


スポーツに限らない。

日々の暮らしでもそれをつけるようにしたら、私も何かがちょっと変わるかも・・・とも。


自他ともに認める、かなりポジティブ系の人間だ。

頭の中で

「ま、いいかぁ」

「大丈夫大丈夫」

「いろいろあるけれど、かなりラッキーだし、なにより健康だから幸せだし」

などと、いつもお気楽に考えてはいる。

でも何がどう前より良くなっているかを、ちょこっとでもメモに書くようにしたら、もしかしたらもっと自分の幸福をビジュアルに確認できるようになるのかも。

”気休め”ではなく、単なる楽観でもなく、本当にいかに自分が恵まれ、幸運であるかを心にとらえられて、もっと今よりも安堵したり感謝したりするようにもなるのかも。


ミュルエルのお蔭。そしてそんなアドバイスをくれるコーチとの出会いを作ってくれた子供のお蔭でまた1つ良いことを教われたぁ! という感じでもあります。


祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

昨日も健太を迎えに行きがてら1時間半だけクロカン。
祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

見おろせば、一面凍っていた湖が緑色になり始めていて。下界ではもう春が始まっているようで・・・。