カリンのママのデザート② Tarte Tatin(タルト・タタン) | 祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

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「フランスだったら産めると思った」(原書房)「食いしん坊の旅」(パラダイム出版)「フランスの田舎暮らしとおいしい子育て」(小学館)・・・以来、単行本を出せていない祐天寺りえの、フランスの山の中での、ごく普通~の日々ブログ。

下2匹が帰ってきたら、途端に私のお腹の虫もグゥグゥ煩く鳴き始めた。

一人だと食欲ってあんまり沸かないですよね~(単に個食慣れしていないからかなぁ)。


一人だとデザートもわざわざ作ることはなく、ずっとヨーグルトや果物、市販のビスケットだったので、

ちょっと禁断症状も起きつつあるところだった。

しかも長女がまだいない。

チャンスだ!


最近、やけに菓子作りに燃えている長女がいると、年長者としてはどうしても「それじゃ、お願い」と席を譲らざるを得ない。

でも本当は菓子作りは私の一番のホビー。


というわけで、明日には長女戻ってきてしまうので、今日が「鬼の居ぬ間・・・」のラストチャ~ンス!

何作ろう。ワクワク♪ 何作ろう・・・

と、思っていたところに下2匹がコーチのところに何やら道具を取りに行った帰り道、森でリンゴを沢山拾ってきた。

雪を被った後の落ちリンゴだから、すぐに食べないと腐ってしまう。


うん。そしたら「タルト・タタンにしよう!」

話は決まった(←なんの話????・・・という顔の2匹であった)。


Tarte Tatin
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若さ溢れるニューモード・菓子を作るカリンに対抗。

カリン・ママンは「年の功」で、フランスの古くからの家庭菓子を作るので、こんな風に菓子にまつわるルーツまで語れてしまうのです。オホホホホ♪(もしかして、このブログ、親子の菓子合戦?)










タルト・タタンの誕生は1888年。古いですよね~。

場所はパリからちょっと南に下った鉄道駅の目の前にあるホテル・タタン。

この写真の姉妹、右と左、どちらか解らないけれど、利発で人望も厚い妹が主にホテルを切り盛り。

姉は料理の達人で、その味は素晴らしく、ヴェルサイユから口の奢った貴族やブルジョワ達までもが常連となってやってくるほどの腕前だったらしい。


ところが、この姉「呆れるほど、そそっかしい人」でもあった。

その「そそっかしさ」から生まれたのが、このタルト・タタン。



ある晩のこと

「きゃぁ~、デザートのリンゴのタルトを作るのをすっかり忘れていたぁ!」

厨房で慌てた姉。

そろそろ客達はメインを食べ終える頃だ。

慌てた彼女は型にバターと砂糖、リンゴを放り込み、それをそのまま火にかけた。

グツグツと煮え始めたリンゴを見て、ふと我に返る。

「これじゃぁ、ただのリンゴ煮になってしまう!」

ところが、ますます動転してしまい、今度はそこにタルト生地をのせ、型ごとオーブンに入れてしまった。


本来、タルトというのは、生地を敷いて、そこに果物をのせて焼くものだ。

つまり手順も逆だし形も逆さま。

具が下、生地が上になったのだから、全部アベコベ。

「うわぁ~、どうしよう~~」

オーブンの前にうずくまる姉。


そこに

「もうデザートを出してもいい頃なのだけれど」

と厨房に妹が入ってきた。

事の次第を知った妹。でもさすがに切り盛り上手。姉と一緒になって動転などはしない。

「取り敢えず、それ、そのまま逆さに返して皿に盛ってみましょう」


当然、生地は下にはなる。

問題はリンゴがどうなっているか、だ。


皿を被せクルリとひっくり返し、そして恐る恐る型から外すと・・・・・・・


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あらら~。砂糖がキャラメル状になってリンゴ全体をベールのように包み込み、見たこともないような美しいタルトに仕上げている。


「失敗は成功の元」?「怪我の功名」?


なんにせよ、この菓子はこの日からホテル・タタンの人気菓子となったのだそう。

めでたしメデタシ♪♪



フランス菓子には他にもこういう「失敗から生まれた菓子」が沢山あるのだけれど、なんだか嬉しいですよね~。励まされるというか・・・☚自分がそそっかしいものだから。


祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

ホテル・タタンは今も健在。私も取材で泊まってきました。このファニー(姉)が愛用していたコンロ&オーブンも健在。アンティークで素敵ですよね♪




さて、作り方です。

まずタルト生地。

市販でも十分OK.

でも日本はまだ高いですよね(フランスは100円以下で買える。でも味はやっぱり作った方が美味)。

意外に簡単なので、節約派は是非、作ってみてください。


(材料)

小麦粉 250g

バター 125g ※よく菓子には「無塩バター」を・・・などと日本では言うけれど、気にしない気にしない。安いバターでOK.マーガリンでもOK

卵黄 1個

水 50cc


(作り方)

ボールに小麦粉を入れ(ふるう必要なし)、バターを1cm各くらいのキューブに切って入れ、卵黄と水も加えて手でこねる。丸いボール状にしたら冷蔵庫で2時間休ませる。


※卵白は捨てずに、あとで違う超簡単菓子を作れるので。でもそれも面倒という人は全卵を入れてしまって、その分、水を少なめにしてもOK



タルト・タタンの作り方

①火にかけられる型を用意(なければフライパンでもOK。フライパン使用の場合は⑥まで終わったら型にリンゴもキャラメル状の液体も全て移す)

②リンゴを皮をむき、四つ切にして、型の上に置いていく(分量を知るために)。

③焼くと縮むので少し多めに詰め気味に置く。

④バターをあちこちに切って置き、砂糖(グラニュー糖でもいいけれど、あれば赤糖だとキャラメルが簡単にできる)、好みでシナモンをふりかけて火にかける。バターは型の大きさによるけれど結構たっぷりめがキャラメルが多くなって美味。砂糖は多すぎると甘すぎてしまうので注意かな。
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⑤リンゴに火が通るように適当にかき混ぜて大丈夫。でもリンゴの形を崩したくない人は静かめに。

⑥最後はリンゴの外側を下にして、少しの間動かさずに火にかけて焦げ目をつけると仕上がりが綺麗。
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⑦火からおろし、型より大きめに伸ばした生地を被せ、余った部分は端に折り込む。
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⑧230℃で50分かけて焼き上げる(オーブンの性質による。生地がいい焼き色になったらOK)
祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

⑨皿を上にかぶせて、ひっくり返せば出来上がり!
祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活 フランス人はこの菓子、温かいまま(冷めていたらオーブンかレンジで温め直して)クリームを添えて食べる。我が3匹はクリームは「要らない~」だそう。


この菓子の良さは上から生地を焼くので、生地が香ばしいこと。

リンゴではなく洋梨やアプリコット、桃などでも美味。

また菓子ではなく、玉ねぎやトマト&マスタード、長ネギなどで前菜料理にも応用できる。
祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活 長ネギバージョン



さぁ、ここからが、ますます若者風ではない”年の功”の”オバちゃんクッキング”。

生地で余らせた卵白を使って、デザートをもう1品。

しかも至ってシンプルで簡単。

材料は卵白と砂糖のみ。


ウチの子供達は”猫まんま”と同様(「祐天寺家のご馳走」ブログをご覧ください)”卵かけご飯”も大好物なのだけれど、とりわけ次女は”卵黄のみの濃厚・卵かけご飯”が好物。

その際の卵白もこのMeringue(ムラング。メレンゲ菓子)に使う。

卵黄しか使わないレシピにでくわしたら、どうぞ卵白を捨てずにこの菓子を作ってみてください。


Meringue


祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

①卵白1個に塩少々を入れ、電動ミキサーで、しっかり固~く泡立てる。

②卵白の倍量のグラニュー糖を加えて混ぜる(卵の大きさによるので量ってください。大抵40g前後なので砂糖は80g前後が目安)。

③クッキングシートを敷くか、オイルを塗った天板に②をスプーンで置いていく(搾り出し袋で絞り出すと更に綺麗だけれど、これでも十分。なにより早いし洗い物が少なく済む)。

④30℃で(つまり最低温度)1時間半から2時間かけて焼く。表面が白いまま、底がシートや天板につかずに簡単にとれるのが焼きあがった目安。

表面に色がついてしまったら焼きすぎ。

底がきれいにとれなかったら、焼き不足。
祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

どこか懐かしい味がするなぁ~と思っていたら、ウチに逗留した昭和一桁生まれの友人に

「カルメ焼きと同じ味だね」

と教えられた。

古臭い系の祐天寺だけれど、カルメ焼きまでは存ぜず。なのに、なんで「懐かしい」と感じるのか・・・ちょっと不思議。なぜなんでしょうね。