同僚のローロンスが
「ねぇ、なにか良い方法を知っている?」
と不妊の悩みをもちかけてきた。
彼女には6歳の女の子がいる。
そろそろ二人目を・・・と、2、3年前から思っているのだけれど、なかなか妊娠できないという。
「そういうのは民間療法に”妙に”詳しいRieに訊くに限るわよ!」
と知人に勧められ
「えっ?Rieって私の同僚のRie?」
灯台下暗しだったわ。Rieがそんなことに詳しいなんて・・・と、いつになく真面目な表情で言ってきた。
そんな・・・別に詳しいわけじゃないし、しかもどれも科学的根拠のないことばかりだし、単に健康オタクなだけだし・・・
と言いつつも、頭に浮かんだ情報を言い並べてみた。
まずはオーソドックスに「オギノ式」。
基礎体温を測ってグラフをつけて排卵日を知る方法。
コレ、フランスでも「オジノ」と言われていて、避妊法としてはまだまだマイナーだけれど、不妊に悩む人達の間ではかなり知られているらしい。
彼女も既にこれにはトライ。
でもホルモン的問題があるのかもしれない。
半年ほど続けてみたけれど、しっかりした排卵日がみつからなかったのだそう。
ホルモン異常ならば
「半年から1年、ピルを常用してホルモンを整える。そうすると呑むのを止めた途端に妊娠できることが多いらしい」
とも言ったら、
「半年から1年、待たなければいけないのかぁ~」
と、ため息。
ふむ・・・
「じゃぁ、乗馬してみるとか」
「なに、それ~!」
これこそ科学的根拠のない民間療法に聴こえたらしい。
確かに科学的根拠なさそうですものね。
でもずっと以前、我が世代にとっては永遠のアイドル・山口百恵さんもこの療法にトライしたというミーハーな記憶があるし、私の友人も数人トライしていた。
姿勢がよくなるなど身体にも良さそうだし、気分転換にもなるだろうし、ま、やって損はないんじゃないかな・・・と思って言っただけなのです。気にしないで下さい。
ふむ・・・じゃぁ、あとは・・・。
あっ、そうそう。 もう1つ、でももっと科学的根拠のない、だけど何故か妊娠できる方法があった!
友人の家の前にあるアパート。
そこに住むと何故か忽ち妊娠するという。
「1DKと手狭だから皆すぐに出て行かなければいけなくて、だから常に住民が入れ替わり立ち代り変わる、実に落ち着かないアパートがあるのよ。でも、本当、入居すると忽ち妊娠するの。不思議よね~」
友人が言い
「それこそ風水なのかもね~」
と私がコメント。
「なになに?フウスイって」
と無駄話は発展。
しばし風水話で盛り上がったことがある。
「うぅ~。そうか。いよいよとなったら、そこに一時転居してみようか・・・」
もう子供が1人いるから1DKは狭いけど・・・
気軽な余談で言ったのだけれど、もう”藁をも掴みたい”心境なのかも。ローロンスは目を宙に泳がせている。
ごめんね。やっぱりあんまり参考になる情報はあげられないみたい・・・
と言ったところで、
そうそう。風水といえば・・・と、この祐天寺、更に余計なことを言ってしまった。
「私が住んでいるアパートは何故か皆、離婚する”離婚アパート”みたいなの」
「えっ?」
「だってホラ、ウチの上階のナタリーもそう。その上のマリー・エレーヌもだし、ウチの左横のローロンスもそうだし」
「その前に住んでいたマルセラも離婚して出て行ったし、なんて名前だったっけ? アリソンのママもそうだったし」
皆、入居する時はカップルなのに、何故かその後離婚する。
「ウチは気をつけようね」
入居時にそう言い合っていた我が家も結局、入居3年後には離婚した。
「やだ、本当だ!」
やけに感嘆したローロンス。
突然、姿勢をただし
「ちょっと前向きに考えてみる。子宝アパートへの転居を」
と言い出した。
どうやら「風水洗脳」をしてしまったらしい。どうしよう・・・・・・・
フランスでは不妊治療にも国保がかなりのカバーをしていて、人工授精も5回まで国保でトライできるようになっている。
この点は是非日本にも真似して欲しい。
「少子化対策」を本気でしたいのならば、幅広く多くの人に産むことを強要したり「何故、産もうとしない!」と働く女性達を叱咤するよりも、まずは産みたいと願い、不妊に悩む人達がたくさんいることに目を向け、そういう人達に国はもっと助力するべきなのでは?(←こういうことになると、やたら声高く、力説したくなる祐天寺)。
そう、だから、ローロンス。風水よりも、まずはちゃんと産婦人科で不妊治療・・・その方が無難な気がするのだけれど・・・
そう言ったけれど、もう「子宝アパート」に心動き始めてしまったらしいローロンス。
ほんと、どうしよう・・・。
どなたか、なにかもっといい民間療法をご存知の方、いらしたらご一報を。