Tide pool | マリモのキルキルブッキング

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マリモの現実と妄想の狭間のブログ


月が地球を優しく愛撫する時、
海は喜び浮足立ち馴染みの砂浜を離れ行く。タイドプールに残された海の子供たちは有り余る膨大なその発想力(暴力的な程に強力な)で色鮮やかな狂気の華を咲かす。

子どもとは言えど混沌を産み落とす様は既に海そのものである。
海の子供たちの発想力でごった返すタイドプールには私達には想像も出来ないような珍妙なる生き物達の楽園が広がっている。

その中でも私は世にも珍しい海中で二足歩行する生き物を発見したことを今日はここに書き留めようと思う。この生き物は我らに外見が少々似ているがれっきとした甲殻類の一種である。その外見から親しみを込めて私はこの生き物に対する三人称を彼、または彼女と呼んでしまうのだが…この姿を見たら頷けないだろうか?






彼の学名はホヤシモナガラ骸甲虫。

危険はないが私達にとって有益でもない。
身は硬くツンとくる独特の刺激臭を放っている。この臭いは香草を使っても何をしても消える事はなく食べてしまうと一年間はその強烈な臭いが胃から上がってくる。薬としての効果も今のところ発見していない。

彼らは独自の言葉を持っており知能もそこそこ持っているので人並みの倫理を持ち合わせている者なら遭遇しても誤っても食そうとは思うまい。

彼らの言葉に関しての興味深い研究結果も出ているのだが…それはまた次回話そうと思う。

                                        2015/2/7