人生はそれほど長いものではない。夕方に死が訪れても何の不思議もない。だから、わたしたちが何かをなすチャンスは、いつも今の瞬間にしかないのだ。
そして、その限られた時間の中で何かをなす以上、何かから離れたり、何かをきっぱりと捨てなくてはならない。しかし、何を捨てようかと悩んだりする必要はない。懸命に行動しているうちに、不必要なものは自然と自分から離れていくからだ。あたかも、黄色くなった葉が樹木から離れ去るかのようにだ。
そうしてわたしたちはさらに身軽になり、目指す高みへとますます近づいていくことになるのだ。
悦ばしき知識
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ