熱したハンドルに夏の始まりを感じる梅雨の晴れ間、ハンドルの上を触らないように運転しながら妻の実家に向かった。
産後世話になった妻の両親に美味い焼鳥を食べてもらう為、西浅草に車を走らせる。
飯田橋出口からの動かない渋滞にバックシートでは桃華が四日間ウンチをしていない話で盛り上がっていた。
一橋出口に滑り込み西浅草を目指す、夕方5時過ぎ青空に白い雲が浮かんでいた。
鳥輿の前のパーキングに車を止め、店主に妻の両親を紹介し、産後世話になった礼を言い乾杯した。
一本一本大事に炭火で焼かれた鳥達が舌を満足させながら胃袋におさまっていく。
焼鳥コースも大詰め、あひ鴨を食べ、桃華を抱っこしていた妻に抱っこを代わる旨伝え、ビョルンを装備した。
桃華がグズリだしたのでユラユラしながら追加の注文を選ぶ、締めのドライカレーの前に二本ほど店主のお勧めを注文した。
正太郎は店主の事をマスターと呼び、お手伝い出来る事を探している、店主が好きなようだ。
追加の焼鳥を待っている間、ただならぬ雰囲気を感じ抱っこしている桃華に目を落とすと、顔を真っ赤にして踏ん張っている桃華がいた。
まずい
くる
そう思った瞬間、腹に衝撃がきた。
でた…
他の客に迷惑がかからぬよう妻に目配せして、店の外に出ようと座敷から降り、靴を履き、妻を振り返った時、座敷の畳みにこぼれたウンチを見つけた、直接的な表現をさけ、妻に指示を出して店の外に出る。
車までたどり着く間にもアスファルトにポタポタとオムツからウンチがたれていく。
車のハッチバックを開け桃華をそっと寝かせる。
畳みを拭き取り追いかけてきた妻に桃華を任せ、店主にペットボトルに水を入れてもらいアスファルトを掃除した。
私自身もTシャツを着替え、心配そうに様子を見に来た正太郎を妻の母に預けた。
店に戻り店主や客達に謝罪し、車に戻った。
桃華は着替えを済ませ妻に抱っこされていた。
西浅草の路上、桃華を抱きかかえ、よく頑張った、すっきりしてよかったねと声をかけ、キスをした。
みんなで店に戻り、ドライカレーと鳥スープを頂き、西浅草から家路に向かった。
帰りの車中、鳥輿の美味しさと桃華のハプニング、想い出に残る食事会になったと皆で笑った。
太一ありがとう。