誰だって、他人から自分がどう思われているか知りたいものだ。よく思われていたいし、少しは立派だと思われたいものだし、大切な人間の部類に入れてほしいものだ。だからといって、自分の評価を気にするばかりに、聞き耳を立てるのはよくない。なぜなら、人間というものは間違った評価をされるのがふつうのことだからだ。自分が思うように、自分が望むように評価してくれることなんかほとんどない。そういうのは全然ちがう評価をされてるのがまったくふつうだからだ。だから、腹を立てないためには、自分の評判や評価など気にしてはいけない。他人がどう思っているかなんてことに関心を向けては絶対にいけない。そうでないと、本当は嫌われているのに、部長だの社長だの先生だのと呼ばれることに一種の快感や安心を覚えるような人間になっていしまう。
人間的な、あまりに人間的な
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ