本日も、乙一先生の作品から。
こちらは、別のペンネームで書いた短編集の一作。今読んでるのですが、読んですぐ書かないと、感動が薄れてしまうので、一作ずつ書きます!

いわゆる白乙一と呼ばれる作品らしく、ほのかな恋の香りとじんわりとした感動が心地よい短編でした。


今回もやはり、自称「人間レベル2」という、何かが欠けた(と思い込んでいる?)男の子が主人公。そして小さい頃に命を救ってくれた瞬兄ちゃんに憧れ、同じ高校に入り、いま、奇妙な頼みを引き受けたことで、これまで低めで安定していたノボルの生活が世界が、変わり始める…


コンプレックスを抱く主人公が、ひょんなことから全く住む世界のちがう異性と出会い、変わっていく、成長していく。


この作品の骨組み自体は、非常によくあるパターンで、珍しさはない。いわば王道である。なのに、なぜか古臭くは感じなかった。というか、最後まで楽しめた。どうしてだろう?  普遍的だけど質が高いからか?   やっぱりみんな(いや俺が?)王道が好きなのかな。


瞬兄ちゃんこと宮崎先輩と、公認の彼女である神林徹子、そして、もう一人の彼女・百瀬陽。神林先輩が抱いた浮気の疑いを晴らすために、百瀬と付き合っているという無茶な設定を、大恩ある瞬兄ちゃんの頼みだからと引き受け、裏ではキモいと百瀬に嫌がられながらも、健気に、百瀬の彼氏を演じていくノボル。


主人公が、ひたすら巻き込まれるのも王道。

人間レベルが低すぎるゆえ、なにもかも受け入れて頑張るしかないのです。


階段で指を絡められ(致死量!)、クラクラしながらも、肘で脇を突かれ、フラフラしながらも、必死で頑張るノボル。


うーむ、これは羨ましいかもですね…


でも、どうしても、百瀬のことが好きになってしまって、これ以上は演技は無理だ、と思ってからの夜中の自転車3時間!   明け方の窓小石。寝ぼけ眼&パジャマ姿の彼女!!


この辺になると、王道どころか萌え満載。。。


さらには学校休んで一日中土手散歩とな!!!   自転車振り返ったら彼女が歩いてきて、とな。なんじゃそりゃーーー!


なんなのよ、結局めちゃくちゃリア充じゃんかよ。笑笑


つまり、乙一大先生は、誰でも共感できる王道な設定の上に、これでもかこれでもかと、萌え要素をてんこ盛りに乗っけてるんですね。こりゃーやばいわ。男の俺もキュンキュンですわー。


でも流石に先生、やっぱりただの青春ものでは終わりません。


最後の最後に、花言葉の仕掛けで、この物語の様相を全てひっくり返すのですね~。男の理想通りで、疑うことを知らない絶世の美女なんか、いるわけないんですよね。男が女を騙し通せるわけがないんです。。こわいこわい。


というわけで、今回も乙一先生の凄まじき筆に乾杯!  の、とんきちでした。ではでは~。