江國香織
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』
この話は水泳の話とかではなくて、
恋愛小説です。
泳ぐ、というのはたとえで、
意味合いとしては「生きていく」
という感じが近いです。
生きていく中で、
恋愛は安全でも適切でもない。
にもかかわらず、
恋愛をするのはどうしてだろう。
っていう感じのストーリーです。
ここにきて、
たいして時間はたっていないだろう。
その短さを、知りたくはなかった。
作中のこの文がすごく好きで、
この一文だけで
恋愛観とか人生観が伝わるような
そういう凄みのある文章です。
ほぼほぼデビュー作ということで、
短編10編が収録されているのですが、
どれもそこそこぶっ飛んだ
ちょうどいいサイコパス恋愛ものなので
心がフラットなときに
ゆっくり読むのをおすすめします!