2003年11月7日(金)④
研修医I先生のヒアリング
のあと、寝る用意をして、トイレに行きました
1つの個室に、ゆかっちと私と点滴台が入るので、狭いです。やはり、トイレの定員は1人ですね。
ゆかっちがしたあと、私も用を足し、なんだか大きい方が出そうだなときばっていたら、ゆかっちが、「ゆかっちもうんこ出そう。」と言うではありませんか。
どうしよう。私は便秘症なので、今しておかないと明日からの付き添い生活に支障が出るかも知れない。今、ゆかっちにトイレは譲れない(◎`ε´◎ )
このとき、3つ並んだ一番奥の個室に入っていたのですが、真ん中は子ども用の小さな便器だと知っていたので、
「真ん中は子ども用やから、そこでやりなさい。」
と、ゆかっちを真ん中の個室に入れました。
「おかあさん、ほんまやな。子ども用のがあるわ。」
というゆかっちの声のあと、壁越しに、なぜかプラスチックの空箱を引きずる様な音がしました。何かおかしいなあと思いながらも、私の方は終わったので、
「病室に検査のやつ、取りに言ってくるわ。」
と声を掛けました。
昨日入院したときに、看護師さんから便に血が混じっていないか調べる”便潜血スライド”(通称便スラ)という検査キットをもらっていました。便の一部をへらで取って、そのキットの試薬の所に塗りつけると、血液が混じっていたら反応が出るのです。
便に血が混じっていると言う事は、腸の中で出血していると言う事。血小板が少ないため、その可能性があるので、検査をするのです。
「次に便が出たときにして下さいね。」と言われていました。
ゆかっちもなかなか出ない人なので、この機会を逃してはいけません。
「おかあさん、早く帰ってきてな。」
「わかった。」
病室はトレイの斜め前なのですが、やはり夜のトイレに1人というのは心細いのでしょう。
病室に戻り、便スラをつかんで、急いでトイレに向かいます。
し~んとした廊下には、「おかあさ~ん、おかあさ~ん。」という、ゆかっちの弱々しい声が響いていました。
「ゆかっち、お待たせ。」
と言って、私はゆかっちの入っている個室の前に立ちました。
そして、扉が開いたとき、そこには予想外の光景が…。
ゆかっちは、なんと便器ではなく、おまるに座っていたのでした。
そう、プラスチックの空箱を引きずる様な音の正体は、おまるだったのです。
「なんでそんなんに座ってるん?ちゃんとトイレあるやん。」
と言いながら、笑いがこみ上げてきます。
思いもよらない事に、ツボに入ってしまい、笑いが止まりません。
真ん中の個室には、ちゃんと子ども用の便器があるのですが、なぜかおまるも端っこの方に置いてあったのです。
「だって、おかあさん、子ども用のがあるからって言うたから、ゆかっちは子ども用のにしたんやで。」
正解。おまるは子ども用ですね。
でも、この個室の便器も子ども用やで。
久しぶりにゲラゲラと笑ったような気がしました。
ゆかっち、笑ってごめんな。でも、ほんまにおかしかったんやで(≧▽≦)
ひとしきり笑い、無事便スラの検査もでき、病室に戻りました。
ねる前に、また、「病院こわい。」と言ってました。
こわい理由はもうわかっている のですが、トイレに1人になったとき、さぞや怖かっただろうと思います。
ゆかっち、がんばったね。o(^▽^)o