原作、好きです。
御巣鷹山に、日航機が墜落。
地元群馬の地方紙で、全権デスク・悠木を中心に紙面を作り上げる記者たち。
一線の記者と上層部の溝。
地元紙のプライドをかけた紙面作り。
遺族の心情を想い、配慮し、真実を報道する。
様々な思惑と共に過ぎた時間の記録。
私にしては珍しく、ムサ苦しさが気に入っている作品。
ムサ苦しいと言うより、新面作りに誇りを持って真剣に向き合っている姿勢がカッコイイのかもしれません。
で、だいたい原作が面白い作品は期待しすぎて映画がイマイチ、というお約束
もちろん今回もご多分にもれず、映画はイマイチでした、、、
詰め込み過ぎなのです。
詰め込み過ぎて、原作にあった細かな描写がさっぱり生かされていません。
安西なんて、その後どうなったのかが最後まで明らかにならないのです。
一緒に観ていた夫は、「あの倒れちゃった人、どうなったんだろうね
」と言っていました。
あまり長すぎる作品を無理矢理映像化すると、あちこちにムリが生じると思います。
せっかくの持ち味が再現し切れなかったり、なんともハンパなイメージ。
どうせ映画化するなら、いっそ二部作にしてしまえば良いのに、とも思います。
それも様々な事情で難しいのでしょうね。
映像で観たい。
けれどハンパな作りでは観たくない。
観客ってワガママ
それでも、一番気に入っているシーンはそれなりに仕上がっていました。
おそらくは関西出身の犠牲者のご遺族が、地元紙なら詳しく出ているかも、と期待して北関東新聞社を訪れるシーンです。
関西アクセントの話し方で、新聞をいただけませんか、とたずねてくる母子。
まだ小学生くらいの男の子の手を引いて、やつれた様子で。
追いかけて事故翌日からの新聞を手渡し、見送る悠木に何度も頭を下げる母。
この母子を見て、悠木は心を決めるのです。
落ちたのは、地元群馬。
地元紙として、とことんこの事故を追いかける。
それが地元紙の誇り。
カッコイイ