~前書き~
【Nachts da ist der Teufel los!】の番外編。どんちゃん騒ぎの翌朝の話です。
本編タイトルにしてた
モスカウの『Nachts da ist der Teufel los, HahahahaHa!(今夜は大騒ぎだ)』の空耳歌詞『無くしたりしたら大変よ、アッハハハハ!』に因んでます爆笑
日本で空耳歌詞が流行ったことや、魔王と呼ばれて人気者になっちゃってることをもし知ったら…ルイさん喜ぶかなニコニコそれともビックリするかな?

あ。空耳って、英語ではMishearingと言うらしいです。間違っても「Sky空 ear耳」ではありません(笑)Empty(空っぽの)ear(耳)でもありません。(翻訳機ではEmpty…と出てきましたてへぺろ)

彼らに限らず、花見やバーベキュー、新年会歓送迎会、盆暮れ正月…“飲めや歌えや大騒ぎ”の翌朝は、色々と記憶がとんで大変なようです。
皆さま、楽しいお花見の季節、宴会のあとの忘れ物&記憶喪失には、くれぐれもご注意をウインク

ーー(=_=).。o¥¥ーー(=_=).。?ー
「ふぁ~ぁ…よく…寝た…」昇りかけた朝日の光で目が覚めた。…もう夜明けか。清々しい早朝の空気がとても心地よい。爽やかで穏やかな目覚めだ。
「…ん?😳」
ふと寝起きの自分の手に目を落とすと、なぜかモスカウのフワフワ帽を手に握りしめてる。「…変身したっけ?」(・-・)?
服を見ると、右半分は脱ぎかけのジンギスカンの上着で…左半分から肩にかけてはモスカウの衣装に袖を通し羽織っている……ガーンハッ
そして何故か足にズボッとはまっているジンギスカンの冠と、布団がわりにしてるモスカウのマント………「なんだこりゃ…😱」どこの国の仮装行列だ。なんでこんな事になったんだ?

ガーンと…とりあえず…衣装がシワになる前に着替えよう…大事な服なんだ。(*pω-)。・・
めんどくさいな…変身はパチンキラキラと指鳴らしたら天使の輪っかのチカラで一瞬なのに、なんで脱ぐ時は自力なんだろう…タラー

近くにはスティーヴがひっくり返り、轟々とイビキをかいて爆睡している。
床にはワイングラスと、空になったワインの瓶が2,3本。あーあ。こんなに散らかして。ビールの後、1人でワインまで呑んでたのか…

…それにしても、一体いつの間に眠ったんだろう。ぼんやりした頭で記憶の糸を手繰り寄せる。
ヴォルフの【40年前の今日…】を読んで大喜びしたのは憶えてる。
あまりに嬉しくて「今度、下に降りて、こっそりライブに乱入しよう!」とジンギスカンの衣装に変身してドヤ顔したら、スティーヴに頭を思いっきりはたかれて散々お説教された……それも憶えてる。

で…大騒ぎ…Moskau…Nachts da ist der Teufel lo……s…アセアセ!雷ハッ「アダダダダ…ッタラー
起きあがろうとした瞬間、体がピシッと悲鳴をあげた。
…な……なんで、全身こんなひどい筋肉痛なんだ。
「い゛……ってぇ…雷ハッ」こ…腰が…っアセアセ腰が伸ばせない…っ雷アセアセ
まずい…これは静養が必要なレベルの痛さだ。
ライブ乱入なんて 調子に乗ったこと企むどころじゃない。
…こんなになるほど、いつ踊ったんだ?…どんな無茶な動きしたらこんなことになるんだ?
変な寝方したから、寝違えたのか? …まさか…これが…「ギックリ腰」ってやつか?ガーン
…うぅ…ダメだ。記憶が吹っ飛んでる。…ていうか、眠さとこのひどい痛みのせいで、これ以上思考が働かない。_| ̄|○ il||liもう体が無いのに、未だに五感が働いてこんな症状を感じるなんて…なんてこった。
…スティーヴが起きたら “天使の輪っかのチカラ” recovery(回復) で、この“幻の不具合”を治してもらおう。
(僕は、まだ自分でrecovery使って“不具合”を治すことが出来ないんだ…不器用だから毎回失敗して…。こないだ額のタンコブ治そうとしたら、なぜか髪が10倍の大きさのモジャモジャになった_| ̄|○ il||li)
(とりあえず…もう一度寝直そう。そうしよう。)
…僕は…青息吐息で少し混乱しながら…再び横になった…。ヾ(⌒(_×ω×)_バタンキュー
そしてしばらくウトウトした後、無意識に頭へ手をやると「……無い」
いつもつむじの10cmほど上にフワフワ浮かんでいる筈の天使の輪がない。「…え……ガーン
動かすたびに痛むカラダを引きずりながら辺りを探ってみたが、それらしき物は落ちていない。どこに置いたのかもさっぱり思い出せない。

どうしよう…まずいぞ…これで紛失騒ぎするの3回目だ…今度こそ神様に怒られる…遂に天国から追放か…!?
不測の事態に、一気に顔からサーッと血の気が引いていく。

慌ててそこらじゅうを探し回ったが見つからない。
「どうしよう、どこやった…どうしよう…アセアセ
曇り曇り曇り曇り曇り曇りキラキラキラキラキラキラガーンガーンガーン

「えーい…うるさいぞ、ルイ!💢」
探し回る騒々しさに、不機嫌なしかめっ面でスティーヴが起き上がった。普段は穏やかで優しいスティーヴだが、寝起きは悪い。

「…朝っぱらから何騒いでんだ?しかもそんな着替えかけのマヌケな恰好で。」スティーヴ~えーん
「ほら、脱ぐか着るかどっちかにしろ。」
いつものように、犬っ子にするように頭をポフポフと撫でられる。完全に子供扱いだ。(どうもライオン頭のワシャワシャ加減が、触り心地良くて気に入ってるらしい。)
「…なぁ、どうしよう。天使の輪っかがない。
昨日、あったよな?持ってたよな?どこ置いたっけ?どうしよう怒られる…どうしよう…ガーン
もう、すっかりパニックだ。お陰で、筋肉痛も腰痛も、いつの間にかどこかへ吹き飛んでしまった。
「Σ(O﹃O )お前っ…!ま~たそんなバカなこと言ってんのか!?
ムキー前にも同じことして大騒ぎしたろ!?生きてた頃も合わせたら、こんなことしでかすのこれで何回目だ!バカ!」
…凹んでるところに思いっきり「バカ💢」と怒鳴られ…弱った心はざっくり傷ついたタラー
言われなくても反省してるよ!コッチではド忘れやらかすの3回目だよえーんどうせバカだけど…そんなにはっきり「バカ💢」って罵らなくてもいいじゃんかよ~(泣)
「…( º言º)」呆れ顔のスティーヴが側に座る。
ゴツゴツした手で、宥められる小さな子供のように「ルイ…ほら、落ち着け。1つずつ思い出してみろ」と頭を撫でられてたら 少し思考が落ち着いてきた。1つずつ思い出す…ええっと…
「…確か、ゴロゴロ寝返りうって遊んでたら、スティーヴの膝に頭をぶっつけた…」
「その前は?」
「昔のことを…ちょっと思い出してた。寝っ転がって星空見ながら…ボーッと…」
「その前」
「…退屈だったから、頭の輪っかを人差し指で…フラフープみたいに回して遊んでたんだ…でも途中で飽きてきて…輪っかをすと~んっ て腕に落として…これなら無くさないぞ。我ながらいいアイデア…ってあ!」
その様子にスティーヴが吹き出した。そして、肩を震わせ、必死で笑いを堪えながら僕に言う。
「で…ルイ。…その……君の右腕にハマってる『他のより一回りデカい“光る腕輪” 』は何だ…?」
思い出した!「そうだ!そうだった爆笑『無くしたりしたら大変だ…』って思って!はめてたんだ、腕に!」
…可笑しくて堪らない様子でスティーヴが「で、寝て起きたら結局…無くしたと思った…と。」と半分笑い混じりな震え声で言う。
「そう!爆笑ああ…見つかって良かった……どうしようかと思ったラブ」思わず、僕は愛おしそうに天使の輪を抱きしめ、頬ずりした。

そんな様子が遂に彼のツボに入ってしまったらしく、スティーヴが床を叩きながらゲラゲラ大笑いし始めた。
「ルイ…いや…お前…ホントまじでもう少しシッカリしろ…!いくらなんでも…ボケ過ぎだ笑い泣き
…しかも「無くしたりしたら大変よ」…って…
“魔王”がホントにそれ言っちまうか、そのMoskauの格好で…傑作だ笑い泣きあぁ、日本のファンに聞かせてやりたい笑い泣き
…スティーヴが壊れた…?! Σ(O﹃O )
「お~い…何がそんなにツボった~? 大丈夫か~?スティーヴ~?」
魔王?魔王てなんだ?Erlkönig?そんなあだ名、生まれて初めて聞いたぞ?
僕は、ジンギスカンじゃなくて『魔王』なのか?コッチの世界に来て…魔王に格上げ?
…と、とりあえず…(神様ごめんなさい、反省してます目十字架)ひとまず僕は心の中で呟いた。

うずまきうずまきうずまきうずまきうずまきうずまきうずまきうずまきうずまきうずまき
気を取り直して輪っかを 頭の上に浮かせると、ようやく爆笑が収まったスティーヴが言った。
「…あ、そうだ。ルイ…。面白いこと教えてやろう。さっき言った“魔王”な。あれは21世紀になってから日本で付けられた君のあだ名なんだ。」
「ヤーパン(Japan)!?びっくり」知ってるぞ。Sa~mura~irai ra~i rai~♪の国だろ?
日本にもぼくらのファンが大勢いるとは知ってたが…21世紀?あの頃じゃなくて?未来人?
「実は日本には“空耳”という文化があってな~」
「ソラ・ミミ?…」何だろう?

日本ドイツアメリカ🇿🇦→辞書をパチン上差しキラキラと出してみた。📓📖📒📕📚
…載ってないや。Kan-jiって難しいな~。
「空」→Skyで「耳」はearか…。空耳………Sky ear…想像してみる。空に耳をつけるのか?耳を取り外して空中に浮かせられるのか?ザムライ…ニンジャ…!あ!
わかった!もしかして『忍術』の1つだな?すげぇ☆カッコいいぞ。
知ってるぞ、日本の魔法遣い、ニンジャ!キラキラ耳だけを身体から切り離して、空中に浮かせるニンジュツ!忍法ソラミミの術だな?
「アホか!タラー分からないなら「それ何だよ」って素直に訊け!」
な~んだ、違うのか。スティーヴは賢すぎる。
で…結局、空耳って何者なんだ?
「空耳は人じゃない。…耳だけを空中に浮かせる忍法でもない!💢
…Mishearingのことだよ、Mishearing!
空耳ってのはな…外国語の歌詞が、変テコで面白い日本語に聞こえてしまう!って言葉遊びなんだ。」
「ほ~うびっくり」そんな面白い文化があるのか。
「僕達の歌は、日本でそのMishearing songとして再び大ブームになったんだ。特にモスカウのMishearingは若者に大ウケだった。
しかも、動画で広まった君の躍る姿は『すげぇ、カッコいい!』と大絶賛。そして、あまりの凄さとキャラの濃さに付けられたあだ名が「魔王」だ」
そうだったのか…。知らなかった。
曇りくもり曇りくもり曇りくもり
スティーヴが小声で耳打ちする。
「でな、ルイ。モスカウの Nachts da ist der Teufel los…あれ、日本語では、なんて聞こえると思う?」
さあ…想像がつかない。
昔、みんなで日本料理のお店に行ったことあったけど…(※実話)
日本語はアリガトごザマスとか、ザムライ…テンプラ…スシ(→オイシイ)…ニンジャ…ニンジュツ…ナベ…ゴチソサマ…それぐらいしかよくわからない。全くの未知の世界だ。

「実はな…Es ist ernst, wenn wir verlieren「無くしたりしたら大変よ」って聞こえるらしいんだ…っ!グラサン
コレだよ、コレ!と僕の頭の上に戻ってきた天使の輪をコンコンと叩き、ニヤリと笑うスティーヴ。
…無くしたりしたら大変……「あ!さっきの輪っか事件!」
「な?まさにさっきのアレだ!『なくしたりしたらたいへんよ~、あっははははは!へい!』グラサンだ☆歌ってみろ」と、流暢なソラミミの日本語で歌うスティーヴ。
今度は僕がツボに入ってしまい、笑いが止まらなくなった。「笑い泣きハハハハハ、無くしたりしたら大変よ…な…なくし…上手いこと言った…!たしかに傑作だ…」
日本ドイツ日本ドイツ日本ドイツ
スティーヴに空耳バージョンの歌詞の意味を教えてもらった。
…こんな面白い歌詞に聴こえるのかびっくりハッ驚愕だ!

…えぇと…「モスカウ、もすかう、ゆーめ見るアンディさん。オッサンですか、シャアですか、ほほほほほ!へい!」→
♪Moscow, Moscow, drea~ming Andy-SAN. Are you an old man or are you Char? Hohohohoho, Hey!(→空耳の歌詞を英語にして歌ってみた。メロディに上手く嵌ったぞ!)か!…面白いな照れ
シャア…「彼の赤モビルスーツは3倍速い」のか…そうなのかニヤリ僕の衣装も赤だもんな。
シャアとやら。赤い「サンタの戦闘服」着た僕の踊りも、皆より3倍凄いぞ。君と一緒だな照れ(嬉)
コーヒーコーヒーコーヒーコーヒーコーヒーコーヒーコーヒーコーヒーコーヒーコーヒー
まさか、そんな替え歌詞で僕達の歌を面白がってくれるファンが現れるとは。
僕のダンスなんかより、君らの発想力の方がよっぽどすごいぞ、日本人。楽しんでくれて本当に嬉しいぞ。
そうか、僕は『魔王』なのか…魔王ルイ…なんか凄く強そうだ。カッコいいあだ名つけてくれてありがとう照れ
思わぬ所で人気者になってると知ることが出来て、何だか嬉しくなった。遠い空の上からそっと僕は礼を言う。
Baie dankie, Japannese jongmense.
(↑アフリカーンス語で「日本の若者、ありがとう照れ。」と言っている)
(END)