ギターとぼくのこと

ギターとぼくのこと

ギターとぼくのこと。

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ある夏。
僕はふと一つの命題を思い付いた。

"もしも今持っている楽器を全て失って、代わりにどんな楽器でも一つだけタダで貰えるとしたら、どんな楽器が欲しい?
ただし、『一生その楽器しか演奏できない』として。"

色んな楽器を所有・演奏してきた自分にあらためて問いかけてみると、意外にもこれが奥深い。
以下はギター弾き語りを趣味とする僕の場合の思考の記録だ。


■ギター少年の夢、58年製のビンテージレスポール (Gibson Les Paul Standard)
…はどうだろうか。
しかしろくにエレキギターが弾けないのに、すぐ弾き語りがしたくなるくせにそんなもの持ってどうするんだろう。
マイケルジャクソンと一緒に住めるとしても嬉しくないのと同じで、実は別に欲しくないのかもしれない。

■ギブソンのグラバーベース(Gibson Grabber)
…にはもう15年も憧れている。
15年前は高くて買えなくて、今は金はあっても市場に出回っていない。
それを無条件に手に入れるのはある意味正解かもしれないが、本当はそんなにいい楽器じゃないことを僕はもう知ってしまっているんだ。

■ストラディバリウスの一番高いバイオリンかチェロ (Stradivarius)
こんなのをもらって、即日売り払ってもいい。
一生遊んで暮らせるレベルのお金になるだろう。
ただしその(弾けやしない)バイオリンを買い戻す以外、僕はもうなにも演奏することができない。それは僕にとって死んだも同然だ。

■アマティのコントラバス (Amati)
という手もある。
金銭的価値と実用性を兼ね備えている。
どこで演奏をするにも巨大なそれを持って行くかなくてはならないという点は非常に気が引けるが。

■マーチンの最上級のドレッドノート (Martin Dreadnought)
アコギの最高峰を手に入れれば文句ないだろう。
…いや、なんとなくマーチンとはとてもうまくやれそうにない。
楽器を尊敬する気も、楽器に使役する気もない。家族か親友のような楽器が欲しいんだ。

■ギルドのアコギ (Guild)
大好きなんだけど、すっげえいいやつなんだけど、どこか不器用で田舎者の彼だから、
僕が何か新しいことをしたくなった時に、いつまでも一緒にできるかが心配だ。
ごめんよギルド。

■ギブソンハミングバード (Gibson Humming Bird)
気の良いやつだ。
あのピックガードはアコースティックギターを飾る最高のデザインシェイプだし、名前もグッド。
だけどスクエアショルダーのルックスはなんとなくイヤミで正直嫌いだ。悪いけど音についても一家言ある。

■ギブソンES-335 (Gibson ES-335)
エレキギターとしての役割も、アコースティックギターとしての生鳴りもしてくれる。
うーん、いいような、半端なような…。
大声で弾き語りをしたいときに不完全燃焼を起こして酸欠で死ぬ気がする。

■その他
ピアノ、トランペット、ユーフォニウム、ジャンベ、ウクレレ、フラットマンドリン…
今までに演奏したことのある楽器を考えても、いずれも一生使うには…。


やっぱりそうすると、アコースティックギターということになってくる。
ギブソン J-160か?
いやいや、ピックアップのために生鳴りを犠牲にしたような半端者じゃ、絶対に後悔する。
もっと素直に嫌味なく、飽きがこず、ただよく鳴るギターを…。







ギブソン J-45だ。