【僕の人生には事件が起きない】岩井勇気 | 【Mink 。本のにおいがスキである。】

【僕の人生には事件が起きない】岩井勇気

■タイトル:僕の人生には事件が起きない

■著者:岩井勇気

■発行:2019年9月25日

■発行所:株式会社新潮社

■定価:本体1200円


残したい箇所を抜粋します。


読むといっても漫画、そしてアニメが大好きで文字よりも絵が好きだ。


19歳でこの道に入り、僕らは運良く22歳でテレビのネタ番組に呼ばれるようになった。下積み時代と言えるようなものはわずか3年ぐらいしかないのである。


飽きることで前進しているんだという結論にたどり着いた時、これからも“飽き”によって前進させられるのか、と思って、ちょっと疲れた。


休みの日や、仕事と仕事の間の空き時間が長かったりすると、たまに美術館に行く。昔、水彩画や油絵をやっていたこともあって、アートは結構好きだ。


美術館に行くと色んな想像が、掻き立てられる。毎回、何かしら新しい考え方を知って帰るのだ。僕はムンク展に行ったその日、なぜかアイドルファンの心理が少しわかった気がした。


本当に仕事と私生活に満足している人間は同窓会など開かないということだ。端から見て私生活と仕事が上手くいっていても、どこか楽しくないとか、満足していないとか、もっと人に認められたい人間が、学生時代の楽しさのピークを更新できていないからか、同級生より上に立ったことを確認したいという理由で同窓会を開くのだ。なので、楽しさのピークを更新していて、今を楽しんでいる人間は同窓会など求めていない。


この性格は子供の頃からで、みんながやっているからやろう、ということで何かを始めることがあまりなかった。