高校の同級生が癌を患っている。

膵臓…

かなり厳しい状況だけに、病室にはたくさんの応援メッセージはもちろん、パワーストーンや、あらゆる神社仏閣の御守りがずらりと並ぶ。

枕元には病院選びの本や、気功の本から、足ツボマッサージの本まで、いろんなジャンルが積まれている。


…辛いよな
きっと、私でもそうなんだと思う。
良くなる為に全力でぶち当りたい。
あらゆるもの、試したい。
目に見えるものから、見えないものまで、
信じるものは救われる、…みたいな。

入院が決まった時に彼は言ってた。

「なんで、これから…っていう時に、こんなんなったんやろう…何があかんかったんか、
結さんに聞いてくれんか?」と。


病気によって、誰もが後悔やこれまでの考え方や、生き方、気づきをあらためて考える時間を与えられる。


彼がこの病気によって与えられた気付きとは?
なにがこう、させたのか…


結さんが、彼のエネルギーをみて感じたのは、
彼は以前から、「命」というものを、軽視とまでは言わないが、どうせ、先は短いし、とか、長生き出来ないから、とか、思ってきたんじゃないかな…と言う。


家族の為にもちろん働いて来ただろうが、それよりも、この生きている間に、地位、名声を手に入れたくて、それこそ不眠不休のようなことをしてたように思うと。


そうなんですよ。彼は確かに、口癖のように、
俺は長生きできないから、とか、
生きてる間に、とか。よく口走ってた。

若い頃からの内臓疾患で、定期的に治療しながら、がむしゃらに京都だ、東京だ、東北だと、車を走らせて、自分の作る器を広げてもいましたからね…
器の業界では知られるようになったみたい。
雑誌にもでてたしね。



だから、結さんのメッセージ通りかも…


そして。
彼にはバランスがなく、バランスをとれば
全てがうまくいくのに、ちょっと気持ちが極端だったかな、って。


でも、これはバチとかじゃなくて。
自分の名声より命が大事なんだと言うことを気づかせる。
それが最大の課題だと言う。
それが家族へ対しての思いやり、まわりへの思いやりに繋がり、バランスがとれる。

すべてはバランス。


きっと彼はこのメッセージを
受け止めてくれ、第二ステージの人生では、
仕事にも、家族にも恵まれ、心地よい人生が待ってると信じている。










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