11月初旬、シェアハウス生活も1ヶ月が経過した頃、事件は起こった。
その日はミックが朝からCITYにバイクで行くというので、彼女をバイクで送ると言い出し、雨も降っていたので、しぶしぶ了承し見送った。
その際にミックは紳士を装い、傘まで自分の物を彼女に貸していた。
僕は、その日も仕事にでかけ、2、3日が過ぎた夜中の事である。
英語+叫び声が隣のミックの部屋から聞こえてくるではないか!!
僕は夜中に目が覚め、彼女は寝ていたので、一人、ミックの部屋の前まで行き
耳を済ませた。
どうやらミックの日本人の彼女が激怒するミックをなだめているようだった。
時折、大きい物音と供に彼女の『キャー』という悲鳴が聞こえる。
どうやら部屋の物を放り投げているようだった。
さすがにビビってはいたのだが、部屋をノックした。
すると日本人の彼女が出てきて、『酒癖が悪いの、ごめんね! すぐ寝かせるから』
と言われた。
僕は自信はなかったが『日本人同士なんで遠慮せず助けてほしい時は言って下さい』と伝えた。
そして部屋に戻り眠った。
ところが次の日の夜中にも、また叫び声が、しかも昨夜よりボリュームアップして聞こえ始めた。
さすがに横で寝ていた彼女も目を覚ました。
20分程、悲鳴や、物音、叫び声と怒鳴り声が響いた後、部屋のドアがノックされた。
僕はおそるおそる扉を開いた。
そこには日本人の彼女がいた、そして僕らにこう問いかけた。
『2人のどっちかミックから前に、傘を借りた? 何か、その傘が昔、離婚した嫁とのハネムーンのお土産の記念品で大事な物だから返してほしいと言ってるのよ』
僕は彼女のほうを振り返った。
彼女は『ごめんなさい、傘、学校の傘たてに置きっぱなしで返すの忘れてた、明日返しますと伝えてください。』
しばらくして、静かになった。
翌朝、彼女はミックと顔を合わせないため、早めに出かけた。
僕も、仕事前にネットカフェでネットをするため昼過ぎに出かけた。
CITYに行く道中、電話がなった。
彼女からだった。
『傘がないの。』 !!!!!! マジで!?