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目次
0.はじめに
1.外食産業とは
2.外食産業の歴史
3.今後の展望


0.はじめに
 「外食産業」というテーマを題材にしたのは、大学生になりファーストフードやファミレスなどで外食をする機会が多くなり、「外食産業」というものに興味持つようになったからである。
今回は外食産業の定義や構造、歴史について研究していきたい。


1.外食産業とは
1-1.定義

家庭外での食事機会(外食)に対して食品の提供とサービスを行う業種の総称。
(出典:YAHOO!百科事典)

しかし「外食産業」といっても確固とした定義があるわけではなく、どう定義するかには大きく四つの見解がある。
a.喫茶店や居酒屋、ビヤホール、料亭、ナイトクラブなど飲むことが主となる店は除く。

b.飲むことが主の店も含めるが風俗営業的色彩が濃い業種を除く。

c.チェーン化された企業のみを外食産業とし、その他は飲食店とする。

d.すべてを外食業界として網羅的に捉える。

→統計資料や外食産業について書かれた本では「d」の広義の意味として外食産業を定義しているケースが多い。
したがってここでは「外食産業」を「d」の意味として捉える。
1-2.外食産業の構造

給食主体部門:「食べ物」を売ることが中心の産業
料飲主体部門:「飲み物」を売ることが中心の産業

料理品小売業:イートイン形式ではなくテイクアウト形式で料理を売る産業。
(ex.持ち帰り弁当、惣菜など)
営業給食:不特定の「個人」に対して飲食を提供する産業
集団給食:学校や企業など「団体」を通して飲食を提供する産業。


また、日本標準産業分類では以下のように外食産業の業種を定義している。
業種:商品で分類した職種。「何を売っているか」という点で分類。

表1 日本標準産業分類による飲食業種分類
(よくわかる外食産業p60より筆者作成)
    業種名             定義・例
食堂・レストラン    主として主食となる料理をその場で飲食さ
(専門料理店は除く)    せる店(ex.定食屋、ファミリーレストラン)
専門料理店       特定の料理をその場で飲食させる店(ex.和食
          専門店、中華料理店、焼肉店、ラーメン店な
ど)
そば・うどん店     そば・うどんを主として飲食させる店。
すし店         主としてすしをその場で飲食させる店。
酒場・ビヤホール    酒類及び料理をその場で飲食させる店
          (ex.居酒屋、焼鳥屋、ビヤホール)
バー・キャバレー・   主として洋酒や料理などを提供し、客に遊興
ナイトクラブ      飲食させる店
喫茶店         主としてコーヒー、紅茶などの飲料や簡易な
          食事などをその場で飲食させる店のこと
(ex.喫茶店、カフェ、コーヒー店)
   ハンバーガー店 主としてハンバーガーをその場で飲食させる
          店。
 お好み焼き店・ 主としてお好み焼き、焼きそばをその場で
焼きそば店   飲食させる店。
    他に分類されな フライドチキン店、アイスクリーム店、
いその他の飲食 ドーナツ店などがここに分類される。



a.2007年の外食産業全体(料理品小売業を含む)の市場規模は299,061億円。
b.飲食店は121,565億円で全体の約40%を占めている。
c.営業給食(飲食店・宿泊施設・国内線機内食の合計)は155,313億円で全体の約60%。
d.集団給食は36,351億円で全体の約12%。
e.給食主体部門(営業給食+集団給食)は191,664億円で全体の約64%。
f.料飲主体部門(居酒屋・ビヤホール・料亭・喫茶店・バー・キャバレー・ナイトクラブの合計)は52,239億円で全体の約18%。
g.料理品小売業は55,158億円で全体の約18%。


1-3業態から見た外食産業の分類
業態:料理の利用形態、内容、客単価などの営業形態のこと。主に以下の5つに分類される。

a.ファーストフード:イートインあるいはテイクアウトで、提供内容は食事が中心。提供時間1~3分程度、客単価700円前後。
(ex.マクドナルド、ケンタッキーなど)

b.ファミリーレストラン:イートイン中心。
客単価500~2000円未満。提供時間3分以上の形態。
客席数80席以上の規模のもの。
(ex.ガスト、サイゼリアなど)

c.居酒屋:イートイン中心、提供内容は食事及び酒類。
客単価は2000円~3000円程度。
(ex.和民、土間土間など)

d.ディナーレストラン:ファミリーレストランよりも上の価格設定で客単価は2000円~3000円程度。イートイン中心。主にステーキやシーフードなどを提供するロードサイド立地にチェーン化した業態。
(ex.フォルクス、ステーキのどんなど)

e.喫茶:イートインあるいはテイクアウトの形態。
提供内容はソフトドリンク中心。
(ex.スターバックス、ドトールなど)


a.ファーストフードは49.8%と業態別店舗数のほぼ半数を占めている。
b.ファミリーレストランは31.9%
c.居酒屋は10.1%
d.喫茶は6.1%
e.ディナーレストランは1.1%


2.外食産業の歴史
江戸時代 外食文化の始まり
背景:参勤交代により妻子を故郷に残して江戸へ単身で来る武士が多い→外食への需要が強く飲食店の増加につながる。 
日本の料理屋(外食)の元祖→浅草金竜山の奈良茶飯

明治時代 文明開化により外国の食文化が流入→西洋料理店、中華料理店、ビヤホールの登場
→日本の外食産業の急速な多様化、発達

大正時代 外食の日常化 大衆食堂の誕生

第二次世界大戦中 明治・大正時代のような華やかさは影を潜める。ヤミ市の発達。 

大戦後~1969年 
終戦直後は深刻な食糧難だったが、景気の回復とともに次第に人々の生活が向上。一般家庭では西洋料理や中華料理が作られるようになるなど、食生活は多彩化。
→しかしまだサラリーマンが仕事で得意先を接待する場合を除けば、大部分の人々にとって外食はハレの行事だった。

1970~1991年 外食産業、チェーン展開化で発達。
1970年→「外食元年」と呼ばれる外食の歴史上画期的な年。
ファミリーレストランの「すかいらーく」第1号店、また大阪万博に「ケンタッキーフライドチキン」が出店。
71年には銀座に「マクドナルド」1号店オープン。
→以後ファーストフードやファミリーレストランなどの外食産業の大規模なチェーン展開を行なう。

1992~ バブル崩壊により景気悪化→消費者が節約志向になり外食率が低下
→外食産業の市場規模が徐々に減少。
また、「O-157による食中毒」「BSE問題の発生」「食品偽装問題」などの外食産業に関わる食の安全問題の発覚
→消費者の食の安全性に対する関心が高まる。
・外食に関しても、健康志向・本物志向・手作り志向・グルメ志向など多様な価値観が生まれている
→外食産業も消費者の多様なニーズに合わせて工夫をしていかなければいけない時代になる。


2-1 市場規模推移と外食率から見る歴史


       外食市場規模(料理品小売業を除く)
 外食率= 
        年間の食品・食料の支出額


a.市場規模も外食率も1975年~1990年の間増加傾向にある。
→高度経済成長やバブル経済による好景気により、消費社会が発達したため。

b.1990~1995年の間、外食率は低下。市場規模も75年~90年の増加率と比べると鈍くなっている。
→1992年に起こったバブル崩壊による景気低迷の影響が強い。景気悪化により消費者の節約志向が強まり、外食率が低下。
消費者の節約志向が強まったことと外食率の低下により、外食産業は全体的に低価格化をし、客を増やしていかければ生き残れなくなった。
→外食産業の低価格化が進む

c.市場規模も外食率も1997年をピーク。その後は徐々に減少傾向にある。
→1997年橋本内閣によって消費税率が3%から5%に上がり景気が後退しデフレ化が顕著になったことが原因。


3。今後の展望
今回は外食産業の定義と歴史についてまとめた。反省点は自分の考察が少なくなってしまったことと、「外食産業」という広いテーマにしすぎて内容が浅くなってしまったので、次回からはそのようにならないようにしたい。
次回は外食産業の中の、「ファーストフード」について市場規模や経営戦略の点で調べていきたい。


〈参考文献〉
齋藤訓之 2009 『外食業界のしくみ』 ナツメ社
国友隆一 2008 『よくわかる外食産業』 日本実業出版社
情報列車 2008 『外食業界がわかる』 技術評論社

〈参考ウェブサイト〉
YAHOO!百科事典 http://100.yahoo.co.jp/
マイナビ2013 
http://job.mynavi.jp/conts/2013/tok/food/fbtoha/
リサーチ・ナビ 外食の歴史
http://rnavi.ndl.go.jp/kaleido/entry/jousetsu145.php
vizoo 外食産業 店舗数
http://www.visualzoo.com/graph/19155
外食産業の苦境と政府・日銀の過ち シェイブテイル日記
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20110702/1309578197
食品流通辞典
http://www.ne.jp/asahi/food/food/tenpo-insyokuten-top.htm
社団法人日本フードサービス協会HP
http://www.jfnet.or.jp/
財団法人 食の安全・安心財団HP
http://anan-zaidan.or.jp/index.html